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竹取り男とゆっくり 5(前編) ある日、目覚めると腹の上に4匹のゆっくりがいた。 男が驚いて声を上げると、そのゆっくりたちは明るい笑顔を向けてきた。 「れいむのかわいいあかちゃんたちだよ! ゆっくりみていってね!」 「むきゅ! あかちゃんたち、おにいさんにごあいさつするのよ」 「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」」 病弱なぱちゅりーが産んだ赤ちゃんは、たった2匹だった。 親であるれいむとぱちゅりーは、各々と瓜ふたつのこの赤ちゃんたちを見せようと、男が起きるまで枕元で待っていたらしい。 対面を果たした赤ちゃんたちはそれなりに可愛かった。 天真爛漫なれいむと愛情深いぱちゅりーの間で元気に育っていくことだろう。 ……あれから三日間。 外は晩秋の豪雨に見舞われて、男は雨漏りを直していた。 2匹の赤ゆっくりはよく食べ、よく遊んだ。 ときおりワガママを言うが、ぱちゅりーはよく躾をしている。 三日の間に、赤ゆっくりはひとまわり大きくなった。 そして四日目の早朝…。 雨もやや落ち着いたので、男はいつもどおり竹を切りに家を出た。 ぱちゅりーだけは起きてきて男を見送り、そのまま男の影が竹林へ消えるまで、ずっと見送っていた。 風雨にあおられてサワサワと竹の葉音の心地よい朝、カーン、カーン、と甲高い音が山を馳せる。 十分に成長した竹を斧で倒す。倒した竹を等分に切って荷車に乗せる。そして街に売る。それが男の先祖代々からの生業だった。 若竹を残して一帯を切り終えた男は、場所を移動して斧を握った。 片時の静寂が再び破られたそのときである。 手近な場所から、なにやら声が聞こえてくる。 斧を振るう手を鎮めて辺りをうかがっていると、2メートルほど離れた地面のくぼみが動いた。 そして、わさわさした落ち葉をのけて土の中から顔を出したのは、なんと野良ゆっくりれいむだった。 そのれいむは不機嫌そうにキョロキョロとあたりを見回していたが、側にいた男を見つけると、穴からピョンと飛び出した。 「ゆゆ! そこのおじさん! さっきからかんかんうるさいよ! ゆっくりできないおじさんはどっかへいってね!」 ああ、もうそんな季節か…と男はため息をついた。 通例、竹で覆われた山にはゆっくりのエサになるような植物や昆虫は少ない。 そのため、この山には道に迷った"はぐれゆっくり"やエサに関する知識の乏しいゆっくりしか来ない。 だが、最近は冬も近づいたこの時期に、ここに巣をつくるゆっくりがポツポツ現れた。 ゆっくりたちが苦労してここに穴を掘り、食物を運び込んで越冬する最大のねらいは、春先に生えるたくさんのタケノコである。 そして、これらは男の食料源でもあり副収入源でもある。 だからこそ、男は毎年この季節になると罠をしかけ、アミなどを持って捕獲に専念してきたのである。 男は、また今年も苦労して土を掘り返し、ゆっくりを掃討しなければならないのかとウンザリしていた。 一方、れいむは何の反応も見せない男に対してますます不機嫌そうに顔をゆがめた。 「ゆ! せっかくれいむがしかってあげてるのに、きこえないの? ことばわからないの? おじさんばかなの!?」 れいむのこの口調に、男はすぐに潰してやろうと思った。が、信じられないかもしれないがこの男は意外と平和主義者である。 話して解決できないか、いちおう試みてみる。 「あのさ、この山には勝手に入るなよ」 「ゆ? なにいってるの? ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだから、おじさんこそかってにはいらないでね」 「そうじゃなくて、この山の持ち主は俺で、お前のものじゃないから出て行ってくれって言ってるんだ。わかる?」 「ゆゆ? さっぱりわからないよ! ここはれいむたちがみつけたんだから、れいむたちのものだよ!」 「だから、お前は俺の山に無断で入って、勝手に自分のものだって決めちゃってるだけなんだよ」 「なにいってるかわかんないよ!! れーむたちがここにきたとき、おじさんなんかどこにもいなかったでしょぉ!?」 「…あーもうっ!」 男はやっぱりダメかと落胆した。 れいむのほうは、男が黙ったので納得したと思ったようだ。 「ゆっくりりかいできた? それなられいむをおこらせたおわびにごはんをもってきてね。そしたらゆっくりゆるしてあげるよ」 「なんでお前みたいなチビ饅頭のエサなんか」 「ゆゆっ!? れいむはこんなにおおきくてりっぱですごくゆっくりしてるのに! そんなこともわからないなんて、おじさんやっぱりばかだね!」 たしかにこのれいむは成体ゆっくりの中ではやや大きい部類に入る。 そのため、れいむは自分の力をかなり過信していた。 だが所詮はゆっくり。 人間からすれば、直径50〜60センチの大きな饅頭にすぎない。 体の大きさが強さの証だと考えるなら、自分よりはるかに大きな人間の恐ろしさを想像すればいいのだが…。 それをしないがために、こうしていつも自分の命を危険にさらすのだ。 「れいむのつよさをおしえてあげるよ! おじさんはこうかいしながらゆっくりあやまってね!」 そう言ってニンマリと不敵に笑うと、れいむは大きく息を吸いこんでから地面の石を咥えて男にプッと飛ばした。 「いたいでしょ?」 「…いたくねーよ」 れいむはまた空気を溜めて石を咥えると、男にプッと飛ばした。 「いたいでしょ?」 「いたくねーよ!」 れいむはまた石を咥え、しつこく飛ばしてくる。 「こんどこそいたいでしょ!?」 「うっせボケェ!!」 ボコォッ 「ゆぎゃんっ!?」 男は平和主義者だが、気が短かいのが玉に瑕なんだと思う…。 れいむは男に蹴っ飛ばされて地面に叩きつけられた。 口から餡子でも撒き散らして重傷を負うところだが、降り積もった落ち葉がクッションになったおかげで打ち身程度で済んだ。 「ゆぐっ、もうおこったよ! れいむにひどいことするおじさんは、あのよでゆっくりこうかいしてね!!」 れいむはプッツン切れて、ボヨンボヨンと体当りをしてくる。 …が、もちろん全然きかない。 「きたねえよ」 ズボンのすそを土まみれにされた男は、跳ねてきたれいむをゴム鞠のように蹴り上げてやった。 「ゆげえぇっ!!」 れいむは上空4メートルぐらいまで飛ばされてから、地面に落ちてビチャッと顔面を叩きつけた。 「ゆぐ…ぐ…ぐ…………どぼぢでごんなごどずる゙の゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!!???」 「お前が先にしかけてきたんだろ?」 「ゆぎぎぎぎぎ…」 れいむは歯軋りしながら男を睨みつけていたが、すぐに空気を吸い込んでプク〜ッと膨れて威嚇した。 「順序が逆だろ。威嚇が最初で、攻撃は後!」 男が斧の柄でれいむの脳天をブッ叩くと、ぶにゅっとした感触とともにれいむの体は簡単にひしゃげてしまった。 「ぷびゅるるるるるるるるるる!!!」 真一文字に結んでいた口の隙間から、溜め込んでいた空気が勢いよく漏れる。 元の大きさに戻されたれいむは脳震盪(?)をおこして両目をギョロンギョロン回していたので、男は往復ビンタで現実に引き戻した。 パァン! パァン! 「ゆぶっ!? ぶぶっ!!」 ビンタを食らったれいむの頬は、左右とも真っ赤な手形がついた。 これぞ真のもみじ饅頭。 「お前、家族がいるだろ。どこだ?」 「ゆぶぶ…しらないよ! れいむにかぞくなんていないよ!」 「とぼけるなよ? さっきお前、『れいむたち』って言ってただろ? …そこの巣穴にいるのか?」 男はれいむを捕まえたまま、視線を穴へと向けた。 「ゆっ…ちがうよっ! れいむはひとりでゆっくりしてたんだよっ! あかちゃんもまりさもどっかいっちゃったよ!!」 「あかちゃんとまりさね。で、赤ん坊は何匹いるんだ?」 「ゆぐっっ! い…い…い…いないっていってるでしょおおお!!! れいむのいうことがきこえな…」 パァン! パァン! 「あ゙っ!? ぶっ!!」 くわっと反抗的な目を見開いたので再び往復ビンタをくれてやると、れいむは涙目になって歯を食いしばった。 「ごべんなざい……ゆっぐじゆるちでぐだざい……」 「じゃあもう一度聞こう。赤ん坊は何匹いるんだ?」 「よにんで…」 パァン! パァン! 「ゆべっ!! ぐべっ!!」 男が三度目の往復ビンタをくれてやると、赤い手形は早くもミミズ腫れになった。 「人ってのは人間を数えるときに使うんだ。お前らは人間じゃないだろうが!」 「ゆひいぃぃっ! ごべんなざいい! よんひきで…」 パァン! パァン! 「でぃぎゃ!! ぎゃぶぅ!!」 これで四度目。ただでさえ赤くふくれた頬を容赦なく叩くので、頬は熱をもって腫れあがり、目と口を圧迫してメタボのようになった。 「匹ってのは動物やなんかに使うもんだ。お前らは…」 「ゆっぎゃー!! ぞおでじだあ!! でいぶだぢはまんじゅうでじだあ!! うすぎだないでいぶのごどぼだぢはぜんぶでよんごでずうぅぅ!!!」 何匹…と最初に聞いたのは男のほうだが、ビンタへの恐怖のあまり、れいむはどこまでも自分を落としていった。 「そうかそうか。薄汚いのを4個も、ボタボタと産み落としちまったのかぁ」 「そおなんでずぅ!!! じめじめじだあなのながに、うずぎだないまんじゅうがよんごもあるんでずううううっ!!!」 「じゃあお前、その薄汚い饅頭全部持って来い」 「わがりまぢだあ゙ぁぁぁぁぁぁ………………………………ゆ゙っ!?」 機械的に服従していたれいむの餡子脳が男の言葉を理解するのに、数秒を費やした。 「だ…だめでずうう!! でいぶのこどぼだぢはゆっぐぢざぜであげ…」 パァン!! パァン!! パァン!! パァン!! 「ぎゅぶっ!! ゆぎゃんっ!! ぎょべぇっ!! ぶげぇっ!!」 五度目にはダブル往復。 なにせ毎日斧を振って鍛え上げた体と、人一倍大きな手から繰りだされる強烈なビンタだ。 やわらかいれいむの体は真っ赤な饅頭となって醜く腫れあがった。 両頬に圧迫された口(з←こんな感じ)からは、ときおり餡子が噴き散らされる。 「おぶっ…! ぐ……ぶぷっ……」 「早く持って来い」 「わ…がじ…ばじだぁ…」 解放されたれいむは重いほっぺたを引きずってズルズルと這っていくと、モタモタと穴の中にもぐっていった。 男は荷車に積んだ竹を整理しながら五分間だけ待ってやったが、案の定、れいむはそれっきり出てこなかった。 男は巣穴に近づくと、飛び出してきても反撃できるよう身構えながら中を覗いた。 …奥にれいむの後頭部が見える。 おそらく、もともとは別の小動物の巣穴だったのだろう。ゆっくりが作ったにしては大きすぎる巣穴だ。 れいむはその大きな入り口を、空気を吸い込んでパンパンに膨れあがった体で栓をして、ぴったり塞いでいた。 中からは親子の声が聞こえてくる。 「みゃみゃ! けがちてりゅよ!」 「どぽちたのぉ!?」 「ゆえーん! ゆえーん!」 「しょこどいちぇ! まりしゃおしょとにでりゅう!」 「あがぢゃんだぢ、なかに…いれば…っ……あんじんだがらね……。つよひおがあざんが…いれば…あんじん…ゆぼぇっ」 「ゆっ!? みゃみゃ、あんこもれちぇるよ!」 「れいみゅにくっちゅいたよぅ! きちゃなぁい!」 「ゆえーーん! やだぁ! みゃみゃ、ちんじゃやだぁ!」 「おしょとにでちゃいぃぃぃぃ!!」 「おぞどは……だめだよ……。えゔっ……おがあざんが、しゅーりしゅーりしてあげるがら……が…ゆげぇっ……がまんじででねぇ……」 ボロボロになっている母れいむは、怖がらせないように人間のことは伏せたまま、泣き叫んで心配する赤ちゃんを力づけているようだ。 が、散々ビンタされたダメージが大きいらしく、会話の途中で餡子を吐き出す雑音が聞こえてくる。 男は母れいむの後ろ髪を引っ張った。 「おい、話が違うぞ」 「ゆぎぃっ!!」 男の声と母れいむの悲鳴に、中の赤ちゃんたちはパニックをおこした。 「にゃんにゃのぉ!?」 「どぽちたのぉ!?」 「だれにゃにょぉ!? 「ゆええええぇぇぇん!!!」 「ゆぶぅ………おがーざんだいじょぶだがらっ! だいじょぶだがらっ!」 「とりあえずお前、出ろ」 男は母れいむの後ろ髪を軽く引っ張ったが、母れいむは息を止めて踏ん張っている。 巣穴はゆっくりには大きくても人間には狭すぎて入れない。 男は面倒になって、人差し指を立てて母れいむの体に突き刺した。 ズポッ 「ゆ゙っ」 勇気づけていた赤ちゃんたちの目の前で、母れいむはカッと両目を見開いて硬直した。 「みゃみゃぁ! どーちたのぉ!? いちゃいのぉ!?」 「もっとしゅーりしゅーりしてぇ!」 「…………だい…じょぶ………だい…じょ……」 ズポッ 「ゆぐっ」 「出てくるんなら、やめてやるぞ?」 れいむは激痛に耐えながら、決心していた。 この赤ちゃんたちを絶対に守ると。 このまま巣穴を塞いで時間を稼いでいれば、もうすぐ食料を探しに行っているまりさが帰ってくるはずだ。 れいむはつがいのまりさを心から愛し、信頼し、尊敬していた。 体の大きなれいむを、すごくゆっくりしてるねと褒めてくれたまりさ。 一見食料の無いこの山に、春になると美味しいタケノコが生えてゆっくりできることを教えてくれたまりさ。 地面に開いていた穴を見つけ、ゆっくりと暮らせるように改装し、元の巣穴から何往復もして藁や食料を運び込んだまりさ。 食べ盛りの4匹の子供たちとれいむに、毎日新鮮な食料を取ってくるまりさ。 れいむはまりさを信じ、早く帰ってきてと、切に願った。 ズポッ 「ゆぶぇっ」 だが、新たな激痛がれいむを現実に引き戻した。 突き刺しては引き抜き、また突き刺しては引き抜いて……今度は8回目だ。 ズポッ 「ゆ゙ぐうっ!! ……ゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っ」 れいむはとうとう指を突き刺される痛みに耐えられず、白目を剥いて痙攣しだした。 声が漏れるたびに、溜め込んだ空気も少しずつ漏れていく。 全身からネチョネチョした餡子汁が止めどなく噴き出てていた。 「みゃみゃー! ゆっくちへんじちてぇ!!」 「まりしゃがしゅーりしゅーりしてあげりゅからにぇ! げんきになっちぇにぇ!」 「ゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っ」 さすがに2ケタは耐えられないか…。 男は9回目を数えながら突き刺すと、指を回して中の餡子をえぐった。 ズポッ グリグリィ 「ゆがぁっ!!!!」 体内の餡子をこね回されたショックで、れいむは一瞬の硬直した後、溜めていた空気を吐き出した。 「ぷひゅう〜〜〜るるるるるるるるるるるるる…」 「ゅ〜♪ しゅじゅしいよ!」 「れーみゅとゆっくちあしょんじぇにぇ!!」 「ゆ! ゆ! ゆっくちー!」 「まりしゃのしゅーりしゅーりのおかげだにぇ! みゃみゃ、ゆっくちげんきになったにぇ!」 赤ゆっくりたちは、母れいむが吐き出した息に喜んでキャッキャッとはしゃいでいた だが、後頭部に9つの穴を開けられたれいむはショックで気絶していた。 男はしぼんで反応のなくなった母れいむの髪を引っ張って、巣穴から少しずつ出していく。 「ゅ〜♪ ゅ〜♪」 「どこいくにょお!?」 「みゃみゃ、"ぷひゅー"やっちぇ!」 「おしょと! おしょと!」 すると、赤れいむも母を追って一緒にくっついてきた 芋づる式に赤ゆっくりが追いかけてくるのを確認すると、男は失神したままの母れいむを背後に投げて隠した。 同時に1匹の赤まりさと3匹の赤れいむが巣穴から飛び出してきて、一斉に男を見た。 「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」」 …実はこの山で生まれた赤ゆっくりたちは、一度も人間を見たことがなかった。 山の持ち主である男以外、他の人間が出入りしないのだから当然である。 そのため、人間を見かけたらすぐ逃げるようにと教えられていたが、実物を見たことがないために男が人間だとわからなかった。 赤ゆっくりたちは目の前に現れた珍しい存在に気をひかれて、いなくなった母親のことなど餡子脳から消し飛んだ。 「おじしゃんはゆっくちできりゅひと?」 好奇心旺盛な赤まりさが男を見上げてたずねた。 男は返事のかわりに赤まりさをむんずとつかんだ。 「ゆゆ!? …ゆゆ〜ん♪ まりしゃ、おしょらをとんでるみちゃい〜♪」 「れーみゅもとばせちぇー!」 「ゆゆ! れーみゅも! れーみゅもとぶぅ!」 「ゆっくちとびちゃいよぉ!」 地面の赤れいむたちはピョンピョン飛びはねながら催促した。 手の中で「ゆぅゆぅ」とはしゃいでいる赤まりさはまだ生まれたばかりらしく、野生種にしては汚れもなくかなりきれいだ。 男はそんな赤まりさのわずかな汚れを手ではらい落とすと、ヒョイと口に入れた。 「ゆ? まりしゃはどこ?」 お空を飛んでいたはずの赤まりさが見えないと尋ねてきた赤れいむに向かって、男はしゃがんで口を開けて中を見せた。 「ゆゆ! しょんなとこりょにいたんだ!」 「れーみゅもいれちぇ!」 「ゆっくちかわっちぇにぇ!!」 「ゆゆ〜ん♪ だめだよ! ここはまりしゃのゆっくちぽいんちょだよ!」 立ちあがった男の口の中の赤まりさは、はるか下のほうに姉妹を見下ろして優越感に浸っていた。 一方で、男の歯が中途半端に開けられているため、身動きもままならない。 加えて中の空気が湿っぽいことで、赤まりさは不快に感じたようだ。 「ゆ! おじしゃんもういいよ! まりしゃをゆっくちおろしちぇにぇ!」 「次に入りたいヤツ、前に並べ〜」 「ゆゆっ! れーみゅをいれちぇにぇ!」 「ゆ!? こんじょはれーみゅのばんだよ! れーみゅはゆっくちどいちぇにぇ!」 「おじしゃん、いちばんきゃわいいれーみゅをえらんでにぇ!」 男が顔を地面に近づけると、赤れいむたちは小さな体で我先にと押し合った。 口の中の赤まりさは姉妹を見ながら、すぐに出してもらえるものと思って飛び出す用意をした。 そのとき…… 「ゆ゙っ…」 口の中の赤まりさが悲鳴を上げて、限界まで目を開いた。 赤れいむたちは何が起こったのか分からずポカンとしていた。 赤れいむたちからは見えないが、じつは男の舌が赤まりさの後頭部に突き刺さり、薄い皮を貫いて餡子の中で止まっていたのである。 「いっ…いぢゃいよっ!! いぢゃいよぉぉぉぉぉ!!」 「ゆゆ!? ど、どーちたの!?」 「…?」 「はやくおりちぇにぇ!」 混乱する赤れいむ。 男は舌を抜くと、吸引力を使って少しずつ餡子を吸い上げていった。 赤ちゃんの水っぽい餡子が、破れた傷口から細いチューブ状になってピュルピュルと出てくる。 甘くて美味しい。 「ゆびゃっ!? ぴっ…ぺっ……ぽぉ…!」 後頭部からゆっくりと餡子を吸い出されている赤まりさは、両目をヒン剥いてグルングルンと回していた。 赤れいむたちから見えるのは赤まりさの顔だけ。 したがって一体何をされているのか分からない。 だったら早く逃げればいいものを、この意味不明の事態への恐怖と好奇心から、ただ息を飲んで赤まりさを見ていた。 「ゆっ…ぶっ……ぷぴゃぴゃぴゃぴゃ…ゆぴゃぴゃあ……」 生きたまま7割ちかくまで餡子を吸い取られた赤まりさは、白目を剥いたまま痙攣して、意味のない悲鳴をもらしていた。 と、次の瞬間、赤まりさの眼球がパッと奥に吸い込まれた。 薄皮には、ほの暗い二つの空洞がぽっかりと開いた。 「ゆひっ」 「ゆぎゃ!!」 「ゅっ………」 赤れいむたちは驚いて飛びあがった。 そのうち1匹はあぶく立った餡子汁を垂らしてひっくり返った。 「たすけちぇぇぇ!!」 「みゃみゃあぁぁぁぁぁ!!」 2匹の赤れいむは気絶した姉妹のことなど捨てて一目散に逃げ出した。 しかし回り込まれてしまった。 男は餡子を吸い尽くしてカパカパになった赤まりさの皮を口から出すと、赤れいむの前に投げ捨てた。 「ゆぴっ!!!」 「ぴぎぃ!!!」 赤れいむはまたも飛びあがった。そして地面に足がつく前に、男の手に捕まってしまった。 「では、いただきやす」 男は両手を合わせてから赤れいむの後頭部を小さく破ると、2匹同時に口にくわえて餡子を吸いはじめた。 泣き叫びながら恐怖にうち震える赤れいむの餡子は素晴らしく美味だった。 一家で残っているのは気絶した母れいむと赤れいむ。 そしていまだ帰らぬまりさだった。 (後編)へ
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[部分編集] 東方幻想譚コンテンツ一覧 東方幻想譚TOP ストーリー攻略 キャラクター アイテム ダンジョン・宝物入手地点 攻略のコツ 専用装備 ザコ敵 ボス攻略1 ボス攻略2(1周目高難易度攻略) ボス攻略3(4章で八雲紫に挑戦) 小ネタ 合成 星蓮船イベント 隠しショップ 絆・サブイベント 絆イベント一覧 連携技 熟練度 関連ページ(一部略称) 主人公組(サツキ/博麗 霊夢/霧雨 魔理沙) 紅魔郷組(ルーミア/大妖精/チルノ/紅 美鈴/小悪魔/パチュリー/十六夜 咲夜/レミリア/フランドール) 妖々夢組(チルノ/レティ/橙/アリス/リリーホワイト/ルナサ/メルラン/リリカ/妖夢/幽々子/八雲 藍/八雲 紫) 永夜抄組(リグル/ミスティア/上白沢 慧音/因幡 てゐ/鈴仙/八意 永琳/蓬莱山 輝夜/藤原 妹紅) 花映塚組(メディスン/風見 幽香/リリーブラック/小野塚 小町/四季映姫・ヤマザナドゥ) 風神録組(秋 静葉/秋 穣子/鍵山 雛/河城 にとり/犬走 椛/射命丸 文/東風谷 早苗/八坂 神奈子/洩矢 諏訪子) 萃夢想・緋想天組(伊吹 萃香/永江 衣玖/比那名居 天子) 地霊殿組(キスメ/黒谷 ヤマメ/水橋 パルスィ/星熊 勇儀/古明地 さとり/火焔猫 燐/霊烏路 空/古明地 こいし) 八雲 藍 習得スキル スペル詳細 連携技 加入条件 2章EXステージクリア後加入 最低加入レベル:28 特性1:橙ブースト 初期習得 橙と連携を行うと能力が上昇する 特性2:式神流計算術 初期習得 基本命中・基本回避+5% 絆ボーナス 精神 装備 拳 剣 杖 看板 結界 リボン 服 鎧 技能書 治癒 雷 大地 神聖 補助 妨害 剣士 魔法使い 格闘 カリスマ 戦闘 弱点 水 習得スキル 習得Lv スキル名 備考 初期 アルティメットブディスト 前鬼後鬼の守護 飛翔役小角 十二神将の宴 オーバードライブ 魔法使いLv1 カリスマLv1 剣士Lv1 格闘家Lv1 妖怪Lv1 妖怪Lv2 妖怪Lv3 妖怪Lv4 妖怪Lv5 ボス戦後イベント 式神連弾 橙との連携技 スペル詳細 分類 スペル名 消費MP 対象 効果 威力 属性 備考 スペルカード アルティメットブディスト 44 敵ランダム 2回攻撃(精神1倍)スタン D - 前鬼後鬼の守護 80 味方単体 超防御(行動不能 防御・精神+100% 全属性耐性上昇) - - 飛翔役小角 65 敵全体 攻撃(精神1倍) D - オーバードライブ 十二神将の宴 95 敵全体 攻撃(精神1.8倍) 精神低下 B - 連携技 参加キャラ スキル名 必要Lv 消費MP 対象 効果 属性 備考 橙 式神連弾 35 180 ▲ページ上部へジャンプ
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降り続く夏の豪雨。 衰える気配のない雨音に妹紅の嘆息も掻き消える。 妹紅にため息をつかせていたもの。それは退屈。 いつもなら暇つぶしをかねた竹林のガイドにでも出かけるところだが、こんな天気に永遠亭に向かう輩もいまい。 結局、一人でごろごろすることしか時間のつぶしようがない妹紅。 からかったり、説教されたりする慧音の姿も午前中に外出して、そのまま戻ってこない。 不貞寝を続行するしかなかった。 救いはも長年の妹紅の能力。じめじめした屋内も、妹紅の周りはどこかからっとした乾いた空気。枕を抱える妹紅の息も安らかに。 一度うとうととしてくると、あれほどうるさかった雨音もまるで子守唄のようだった。 そのまま、混濁する意識に心地よく埋もれようかというとき、あわただしい物音が玄関から聞こえてきた。 ついで、外の雨音が鮮明になる。 誰かが玄関を開けて入ってきた。 飛びおきる妹紅。だが、その緊張も玄関からの声に解けていく。 「すまない、妹紅。タオルをもってきてくれないか」 慧音の声だった。 「なんだ、ずいぶんとゆっくりしていたな」 親しい者の向けて、軽口をたたきながらタオルをもって玄関へ。 そして、歩みが止まる。 「悪い、もう一人分くれないか」 慧音は客人を連れていた。 年若く、美しいが、この雨にさらされていたのか、病的に青ざめた顔色の女性。 その表情は悲しみに沈み、苦悶の後が眉間に深く、唇は涙をこらえるように歪み、実際に口に押し当てたハンカチ越しに嗚咽がこぼれている。 「妹紅、大変なことが起きてしまった……」 慧音も憂いの形に眉をひそめ、妹紅に向けたため息を吐き出していた。 玄関に立たせておくにはいたたまれない女性の姿に、屋内に二人を招いた妹紅。 「何が、あったんだ」 急須の茶葉を取り替えながら、妹紅は自分を手伝いにきた慧音に声を潜めて聞いた。 客間には女性にが一人、肩を落として座っている。どれだけ泣き続けたのだろう。目が真っ赤で腫れぼったい。 慧音は勝手知ったる妹紅の家とばかりに、湯飲みを並べながら妹紅にささやく。 「妹紅、ゆっくりを知っているな?」 「ん? ああ、あの愛嬌があるのかないのか、微妙なやつらだな」 脳裏に浮かぶユーモラスなゆっくりの姿。 妹紅の生業はゆっくりとは利害関係にない。ゆっくりが何をしようが他人事。家に入り込んでくればつっついたりして反応で遊んだりもするが、別にどうこうしたい相手ではなかった。 しかし、慧音はゆっくりの名前を口にするとき、まるで稲穂にたかる害虫を話題にしたように、忌々しげな口ぶり。 「ゆっくりが、どうした?」 違和感を感じての妹紅の問いに、慧音は表情をすうと消し、答える。 「ああ、そいつがな、人を……赤ちゃんを食ったらしい」 人が、食われる。 それは妖怪と人が共生する幻想郷では珍しいことではない。 ただ、ゆっくりが人を食うというのは聞いたことがなかった。 むしろ、人に対してこれほど無力な生き物はないではないかと、妹紅は考えている。 妖怪は人を食うし、妖精の軽い悪戯で崖から転落するもの珍しくない。血肉を求める妖獣が跋扈し、人を血袋とみなす吸血鬼まで、人に害なす生き物は実に多種多様。 ゆっくりだけが、人をどうすることもできなかったはずだ。 それなのに、人の子を食ったと慧音は言う。 「そして、私が連れてきた人は食われた子の母親だ。本当に、痛ましい……」 その言葉に振り向くと、女性は青い顔のまま、焦点の合わない瞳で虚空を見つめていた。 「妹紅、すまないが彼女の話を聞いてやってくれないか」 無論、妹紅に異存はなかった。 「まずは温まったほうがいい」 慧音にお茶を差し出されて、こくんと糸の切れた人形のように礼をする女性。 妹紅はその正面に、慧音は女性の右隣に腰掛け、向かい合う。 慧音に促されて、お茶をすする音が響く。 三人の間に横たわったその沈鬱に、外の雨脚も別世界のように遠くなっていた。 「つらいだろうが、話してくれないか」 慧音の言葉に弱弱しくうなづく女性。 ぽつりぽつりと、うめくように語りだす。 ゆっくりが女性の家の近くに現れるのは珍しいことでは無かった。 とはいえ、普段のゆっくりによる被害は家庭菜園程度。柵を設置してからは、それもなくなっていた。 家にも踏み込まれたこともなく、玄関先までが自分たちの入っていい領域と思っているのか、そのあたりで飛び上がり餌をねだることがあったぐらい。 それだけに、ゆっくりに対して無防備になっていた。 事件の日、1歳になるわが子が眠った隙に家事にいそしんでいた母親。だが、子供の眠る部屋の方が何か騒がしい。子供がむずがっているのかなと、母親はその手を止める。ようやくはいはいを覚えたばかり。だが、親の思わぬところまで踏破することもある。放ってはおけなかった。 とはいえ、父親が早世し、近隣の富農の家に奉公に出ることで何とか食いつないでいる身。働きづめで疲れ切って体の重い母親は、手元の作業を早めにこなして確認しにいくことにした。 洗濯物を一通り干して、小走りに赤ちゃんの下へ。 そうして玄関口を抜け、子供の寝室で見たのは見たこともない巨大なゆっくりれいむだった。 ほっそりとした母親の体重に比べて、五倍もあるだろうか。 ぶよぶよな体で、しあわせそうな顔でよだれをたらして眠っていた。 成熟したれいむの幅2メートルの巨体に一瞬圧倒された母親だが、すぐに異変に気づく。 横なぎにされた赤ちゃんのベッド。散乱する布団と、赤ちゃんの好きだったおもちゃ。赤ちゃんにまつわるものがすべてあるが、ただ一つ、赤ちゃんの姿がどこにもない。心を引き裂くような夫との死別の果てに、貧しさの中で1歳になるまで愛を注いで育てたわが子が消えていた。 とはいえ、ゆっくりが人を食べる話など聞いたことがない母親は、そのときもっともありえそうなことを想像していた。 巨大れいむの下敷きになった自分の赤ちゃんを。 想像した瞬間、ぞわりとした悪寒と心を駆り立てる焦燥。 「どいてえええ!!!」 両手をぶんぶんと振り回して、ゆっくりをたたき起こす。 「ゆ~?」 寝ぼけなまこでのっそりとおきだすゆっくりれいむ。 状況がわからないゆっくり脳で、鬼気迫る母親の顔を目撃する。 「ゆっ! どうしたの、そんなに怖い顔はやめてね! ゆっくりしていってね!」 「ゆっぐりしちゃだめええええ! どいてえええ、おねがいいいいいい!!!」 母親は必死で、そのぷよぷよのだらしない体を押す。 けれど、皮がでろんとのびるばかりで、母親の膂力では小揺るぎもしなかった。 「いたいよ、おねーさん! ゆっくりしないとだめだよ!」 必死の懇願もぷうと膨らむゆっくりれいむにはまるで通じない。 「お願い、そこをどいてえええ! いくらでも、おいしいのあげるから、お願いどいてええええ!」 母親は屈服してでも懇願するしか手が無かった。 すると、ゆっくりれいむはぽやーっと、うっとりした表情。 食べ放題のお菓子を想像したのか、よだれがダラダラとこぼれていく。 「ゆっ! ここはれいむのゆっくりポイントなんだけど、とくべつにすこしだけ移動してあげるよ!」 いいながら、重い体を震わせてどすんどすんと後ろに退く。 母親は、ある種の覚悟を決め、一呼吸してその場所をのぞきこむ。 果たして、そこには何も無かった。 心底ほっとする母親。ぽろぽろと涙が安堵で止まらない。 だが、そうなると赤ちゃんはどこへ? 「ゆ~♪ ゆ~♪ ゆっくりハウス~」 暢気な、ひどい歌声が聞こえてきて母親は顔をあげる。 そして見てしまった。 ゆっくりれいむの巨大な下あごに膨らんだ丸み。誰かが、中から顔を押し付けられているような、奇妙な突起。 「ね、ねえ」 膝が震える。声色だけ不思議と平静に、母親は話しかけていた。 「あかちゃん……わたしのあかちゃん……知らない?」 知らないよと答えてと、母親は願った。 「ゆ? おねーさんのお赤ちゃんだったの!?」 だが、願いはかなわなかった。 ゆっくりれいむは飛び切りの笑顔を母親に向けて、言った。 「おねえさんの赤ちゃん美味しかったよ!」 「い、いやあゝあゝあゝあああああああああああああああああああああ!!!」 もう、悲鳴しかでなかった。 心の奥から得体のしれものがわきあがり、頭をかきむしって、その場にうづくまる。 吐き気がとまらない。えづく。続いて、ぽろぽろと涙が頬を伝っていく。泣いていることにすら気づいていなかった。 夫が残してくれた、夫がこの世界にいた証明。命を削ってでも守っていかなれればなかった赤ちゃん。それが、こんなことで…… あのとき、すぐに来ていたらこんなことには……! ああああああ、あなたあああああああああ! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいいいいいいいい。 亡き夫に対して、どれだけ詫びても許されないだろう。死んでしまいたい、絶望。 「おねーさん、美味しい赤ちゃん、また食べさせてね! こんどはみんなを連れてくるから、たくさん赤ちゃんを用意してね!!!」 その場で母親が死を選ばなかったのは、ある意味このれいむの言葉のおかげだったかもしれない。 「がっ! がえぜええええええ、あがぢゃん、がえぜえええええええ!」 すべての感情が怒りになって爆ぜた。 のども裂けよ泣き叫んで、れいむにとびつく。 「ゆっ、ぐっ!」 そのままれいむの口の中に半身をねじ込む。 手をねじ込み、わが子の影があった下あごに付近をほじくりだそうとするが、ゆっくりれいむにはすさまじい激痛だった。 巨大な舌が母親の顔面をとらえ、そのままズズとすさまじい力で押しのけられる。 この力で、あかちゃんが引き込まれたのだと、怒りが燃え上がる母親もどうすることもできない。 「ぺっ!」 こともなげに吐き出されてしまう。 「いぎなり、なにずるのおおおお! ひどいよ、おねーさん! れいむ、悪いことしてないのにいいいい!!!」 言いながら、わんわんとすさまじい声で泣き喚く。 と、怒ったのか、さらにはその全身を真っ赤に染めてドスンドスンと跳ね回る。 もう、下あごの膨らみは微動だにしていない。 「こんな意地悪するおねーさんとは、一緒にゆっくりできないよ! 赤ちゃん食べたぐらいで怒らないでね!」 赤ちゃんがどういうものかよくわかっていないような口ぶり。 おそらくは未婚のゆっくりだったのかもしれない。 無論、母親が許す要素にはまるでなりえなかった。 「こっ、ころしてやるううう!」 もう、理性なんて残っていない。 そのゆっくりの腹を裂いて、あかちゃんを取り戻す。 台所にとびこんで包丁を片手にゆっくりに駆け寄ると、全身で飛び込むように突き刺した。 深々と突き刺さる手応え。 だが、それでもそのゆっくりれいむの巨躯に比べれば、包丁の刃渡りは人にマチ針を刺すようなもの。 めりこんだ包丁も女性の腕力では引き抜くことすらできなくなる。 一方、刺されたゆっくりは驚いた表情。 だが、次第にじんわりとその顔がゆがんでいく。 「いだああああああいいいいい! だずげでええええええ! れいむのべっそうに、こわいひとがいるううううううう!!!」 どすんどすんと跳ね回って部屋を粉砕していく。 赤ちゃんに歩き方を教えるため用意していた歩行器が、赤ちゃんの身を案じた階段の柵が、赤ちゃんが大好きでいつも抱えていたお人形が。 弾き飛ばされ床に転がった母親の前で、すべて残骸になっていく。 「あ゛あ゛あ゛あ゛!」 ただ絶望に打ちのめされて、言葉にならない悲嘆。 あらかた壊しつくして、ふひいふひいと荒い息をつくゆっくり。 傷口からはタラタラと餡子が細く一筋。もう止まりかけている。 「すごくいだいよおおおおお! どうじでぞんなごどずるのおおおおおお!!!」 散々に憤ってから、ゆっくりれいむは、きっと母親をにらみつけた。 「命を大切にできない人は、ゆっくりしね!」 飛びかかる巨体。 目の前がゆっくりの巨体でふさがれ、視界が暗転する。 次に目が覚めたとき、そこにはもう何も残されていなかった。 「ひどい話だな」 肩を震わす母を見て、妹紅も瞳を曇らす。 それでも、母親は語っている間、目を離してしまった自らの過失を何度も悔いていた。自分を責めて、より深く傷つこうとしている。 これは、避けようのない事故のようなものではないかと妹紅は思う。だから、自分を責めるのはやめたほうがよいのではないか、と。 幻想郷で生きるものは、さまざまな予期できない危険に常に脅かされている。 今回はゆっくりという予想外の生き物が害をなしたが、本来幻想郷はより危険な妖怪や獣が闊歩する世界。長い間目を離せば、ゆっくりならずとも、こうなることもありえるだろう。妖怪や野獣に比べると、その鈍重さから一人ぼっちで無防備に眠っている赤子しか襲えないゆっくりは、逆に言えばそれだけしか人間に直接の害がない生き物とも言えるだろう。妖怪のような危険性が無いため、博麗の巫女も動いている様子はない。 とはいえ、言ったところでなんの慰めにもならないことを母親に話したりはしない。 そんな精神的なケアは、妹紅の手にあまるところだ。慧音のような、母親の生活を良く知る言葉に重みのある者がしたほうがいい。 第一、自分はまだ子供をなしたことがなく、その真の絶望を想像で補うしかなかった。どれだけの悲しみと怒り、虚脱感に打ちのめされているか計り知れず、うかつな言葉で母親をさらに傷つけるのは避けたい。 そうしてひっこめた慰めの言葉。 代わりに、ふつふつとした怒りが妹紅の奥底を熱く燃え上がらせていた。 「妹紅、母親はせめて子供がどうなったのかだけは確認したいと探し回っていた。今は私たちがそれを知り、村人総出で家捜ししているのだが、手が足りない」 「わかった」 自分のできることは、母親に約束することだけ。 「必ず見つけ出して、引きずりだしてやるよ」 苛烈に輝く妹紅の相貌。 相変わらずの雨が一瞬蒸発したかのような、灼熱の眼差しだった。 母親は泣きぬれた、憂いの深い瞳で妹紅を見つめ返す。 妹紅の耳朶をか細い声がうつ。 「こんなことを言っても、何も戻ってこないことはわかるんです。でも、許せなくて……もう、心が張り裂けそうで……」 まだ若い、母親の整った顔が不意に歪む。 「お願いします! あいつを見つけたら、すぐに赤ちゃんの仇を……仇を……あいつを、殺してください!!!」 それだけが母親を慰める唯一の方法だろう。 言葉に続く低い嗚咽の声を聞きながら、妹紅は無言で頷いていた。 豪雨と暴風の合間を縫うように、村人たちの巨大ゆっくりへの探索は続いていた。 本当は一日中探し回りたい村人たちも、妖怪たちに出くわす可能性を考えると無理ができないのが実情。 その中で藤原妹紅だけが、毎日、夜明けから日が暮れるまで探し回っている。 雨が触れた瞬間蒸発する妹紅の熱。さらには出くわした妖怪が、逆に逃げ出す妹紅の力が可能にした強行軍だった。 藤原妹紅を駆り立てたのは、母親への心情。 彼女は母の顔も知らなければ、誰であるかすらも知らない。 気がつけば父、藤原不比等に引き取られて父の手元で暮らしていた。 父は誰よりも妹紅に優しかったので、妹紅はその生まれを疎んではいない。ただ、母のことをどうしても知りたい時期があり、直接父に母のことを尋ねたことがある。答えは、悲しげに眉をひそめさせてしまった父の表情。それ以来、妹紅は母のことを聞くこともないまま蓬莱の事件が起こり、二度と会えぬ身となった。 母親の愛を向けられたことのない妹紅にとって未知数なものが母親の愛情。 不老不死となったこの身で、子供を残すことは考えたこともない妹紅だが、想像することはある。 無条件で自分より大切な存在。この上ない幸福を与え合い、未来に命をつなぐ存在。 とはいえ、実際はそんな夢想するような親子関係ではない母子もたくさんある。妹紅も、長い年月でどれだけの壊れた親子関係を見かけてきただろう。 それでも、妹紅にはあの母親ならば子供と深い愛情でつながっているように思えた。失うことで、どれだけの絶望を与えられたかも、思いはかることができた。 赤ん坊を食らった巨大れいむ。 人を食らった妖怪が退治されるように、人の手で退治しなければならない。なるべく、早く。 人の味がおいしいと吹聴される前なら、一匹の駆除でカタがつく。ほとんどのゆっくりが人間に直接的に無害であるのなら、根絶やしになどするつもりはなかった。 巨大れいむを尋問して得た情報を元に、家族や友人たちをまずは潰す。巨大ゆっくりは最後だ。 すぐに仇をとってもらいたい母親の頼みを無視するようで申し訳ないが、死はあらゆる苦痛からの救済だと思うのが蓬莱人たる藤原妹紅。自らのしたことの顛末を見届けさせてから、ゆっくりれいむを始末してやりたい。 気がつけば、いつしか豪雨はやんでつかの間の晴れ間が平原に落ちていた。 地に降り立つ妹紅。 足元を濡らすし草の露。しっとりとした空気が日差しに次第に暖められ、ほかほかのいい心地。 妹紅の張り詰めいた気が若干ほぐれていく。 空の彼方に虹を見つけて、妹紅が手近な石に腰を下ろしていた。この辺で一休み。 長期間降り続いた後の雨上がり、それまで巣穴でじっと時を過ごしていた小動物がちらほらと野原に姿をあらわしていく。 そして、小動物と大して代わらない行動原理の生き物が、ひょっこりと姿を現した。 「ゆっくり晴れたよ!」 遠くからでも、妹紅にはその物体がゆっくりだとわかった。 その大きな声と、巨躯によって。 注視すれば、そのほっぺたにはぷくりと傷の跡。母親から聞いたとおりの位置。間違いなく、捜し求めていたゆっくりれいむだ。 「にじさんがきれい~♪ ゆっくりしあわせー♪」 一匹だというのに、誰にともなく話しかけて虹のほうを眺めている。 妹紅が近づいきても気づきもしない。 後ろから歩み寄り、その巨大れいむの頭にそっと手をのせる。 「ゆっ? 小鳥さん?」 「いや、不死鳥さんだよ」 言うなり、れいむの全身を炎が走り抜けた。 「ゆっぎいいいいいい!」 巨大な火の玉からの絶叫。 「本当に饅頭を焼いている気分だ」 妹紅が手を離すと、瞬時に炎が掻き消える。 炎の後には、体のところどころ黒くかぶれ、だらなしく舌を伸ばして悶絶する巨大ゆっくりが残されていた。 周囲にはほのかに漂う香ばしさ。 「さて、話を聞かせてくれないか、な?」 妹紅はもんぺに包まれた片足をあげ、その焼き饅頭の鼻っ柱を蹴り上げていた。 「ゆっ!」 うめきながら目を覚ます。 途端に、その目を大きく見開いた。 「ゆううううう! いだいいだいいだいいいいい、体中がいだいいいいいい!!! どうじでえええええ!!!」 そりゃ、全身に火傷をおっているからなと冷静な妹紅。 痛みに震えながら、涙とよだれを撒き散らすゆっくりを観察して、これは最初に焼いて行動能力を奪って正解だったかもと、ひとりごちた。 確かにでかい。まともにのしかかられれば、圧死はしなくても人間は身動きできなくなるだろう。あの母親もよく無事だったものだ。 「変なスボンのおねえさん、早くゆっくりれいむを助けてね!」 ゆっくりは、妹紅一番のおしゃれポイントをけなしつつ助けを求めるという高等技術を見せ付けていた。 が、妹紅は気にもとめず、その右手に炎を宿らせ、ゆっくりの前に突き出していた。 「ミディアムに焼かれたくなけらば、質問に答えろ。お前に家族はいるか?」 「……ゆっくりれいむは一人でゆっくりしていたよ!」 一瞬だけの間は、あまりにわかりやすい嘘だった。 「本当のことを気兼ねなく言えるようにしてやろう」 言うなり、妹紅はさらに力を使う。 きょとんと、妹紅を見つめていたれいむ。 が、次の瞬間、ゆっくりれいむの目が見開かれる。、 「ゆぎいいいいいい、あづいあづいあづいいいいい、しだがあづいいいい!」 ぴょんぴょんと、いきなりはね始めるゆっくり。 ゆっくりれいむの接地点に絞った、オレンジがかった炎。 地を這うような熱が、下におちたゆっくりれいむの体を焦がすたび、びくんびくんとはねあがるれいむ。 だが、すぐに重力にとらわれて下に戻るゆっくりの体。前よりも深く体を熱に押し付けてしまう。 いつまでも逃れられない芯から響くような激痛。 「ひぎいいい! ひぎいいいいいい! だずげでええええええ!!!」 1分にも満たない時点で、ゆっくりの顔は涙、涎、脂汗に彩られ、苦悶に歪む顔は原型の面影も残っていない。 「じゃあ、もう一度聞くぞ。お前の家族はいるのか?」 「……ぎいいいいいい! いないよおおおおおおお!!!」 人であれば失禁して気絶してもおかしくない激痛なのに、案外しぶとい。 ほおと、妹紅の眉がはねる。 「まあ、ショック死できなければ三日はそのままだ。がんばればいい。ちなみに、火をつけてまだ二分もたっていないな」 一瞬、絶望で目がうつろになったゆっくりれいむ。 それでも、すぐさま激痛で長い長い現実に引き戻される。 「れいむに家族なんていないよおおおおおお! だからやめでねえええええ!」 だが、がんばる。 本当に家族がいないのかと、一瞬思考がぶれる妹紅だが、最初の間は明らかに迷いがあった。家族のことを聞いてどうするのだろうという猜疑と、言わない方がいいという決断の間。 甘言で家族の下に案内させたほうが楽だったかもしれない。 しかし、ゆっくりに愛嬌をふりまくことができるだろうか。 結局、自分にはこの方法しかないのだ。 今は、飛び跳ねることすらできなくなって、地面を転がり続けて万遍なく焼かれるゆっくりれいむを眺めるしかない。 「ごめんなざいいいいい! いいまずううう、いいまずがら、火をどめでえええええ!!!」 所詮はゆっくりか。 ぶるぶると震えて、もう飛び上がる気力も無く焼かれるがままのゆっくりを見て、妹紅は大勢が決したと判断した。 かききえる炎。 ぷすぷすと、焦げ臭い煙がたなびいて、ゆっくりれいむはへたりこんで熱のない平原の空気をいっぱいに吸っている。 「じゃあ、言え」 妹紅がうながすと、しかし、ゆっくりれいむは衰弱した顔できっと妹紅を睨んでいた。 「あのお姉さん、言うけど一つだけ約束してね! 赤ちゃんには手をださないで!」 「ああ、わかったわかった」 面倒くさそうに要求を受け入れる妹紅。 お前さんが人の赤ちゃんが食べられることを吹き込んでなければなと、心の中で付け加えつつの容認。 それよりも気にかかるのは、赤ちゃんというフレーズ。こいつ、自分に子供がいながら他人の赤ちゃんをくったのかと、改めて不快感がもこもこと湧き上がる妹紅。 「で、家にいるガキは何匹だ?」 もし、処分するとして取り残しがあると元の木阿弥。 そんな妹紅の意図にはまったく気づかないまま、ゆっくりれいむは素直に応えた。 「赤ちゃんは四人いるよ! すごくかわいいよ!」 自慢げだ。 その可愛い赤ちゃんが奪われたら、こいつはあの母親の痛みをひとかけらでも味わってくれるのだろうか。 黒い想いをふつふつとたぎらせながら、妹紅は質問を重ねる。 「お前の産んだ子の内訳は?」 「れいむと同じリボンの子が二匹に、まりさの帽子の子が一匹だよ! みんな、すごくかわいいの~♪」 その返答に、二つ問い詰めたいことがある妹紅だが、まず、まりさという別種の存在が妹紅には気にかかる。 「……片親のまりさはどうした?」 「れいむを妊娠させてくれた後、他のゆっくりも幸せにしてあげないといけないって、どこかにいっちゃったよ! 寂しいけど、まりさすごくかっこよかった!」 それは、まあ、やり逃げといわないか。妹紅は心にわきあがる突っ込みを何とか抑えていた。 「で、実は私は足し算ができるわけだが、れいむ2匹とまりさ1匹だと、3匹にしかならないぞ」 苦心して、何とかゆっくりにも通じそうな言葉を捜す妹紅。 「うん、れいむの産んだ子は三人だよ! もう一人は預かっている子なの!」 ゆっくりにも里子や養子縁組があるのだろうか。 まあ、会話してみて感情や人に似た思考回路があるようなので、余裕があればゆっくりぱちゅりーあたり、知恵袋として養ってもいいのかもしれない。 だとしたら、その知恵袋的な存在に人間の赤ちゃんを食べられると吹聴されるのはひじょうにまずい。 「へえ、どんな種類のゆっくりだ?」 問いかけると、ゆっくりれいむは困ったような表情。 だが、沈黙が長引くたびに妹紅の眉間の皺が深くなっていくのを目の当たりにして、あわてて口を開く。 「ゆっくりじゃないよ! ニンゲンの赤ちゃんだよ!」 「へっ!?」 思いもかけない言葉に、思わず呆けた声を発する妹紅だった。 後半へ
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『まりさは飼われゆっくり4』 32KB 虐待 観察 育児 家族崩壊 飼いゆ 赤ゆ 現代 失礼します ※「anko4273 まりさは飼われゆっくり3」の続きです。anko4266, 4272から続けて読んでいただけると幸いです。 ※観察系虐待です 玄関脇の箱がなくなり、野良ゆっくり一家がやってきたことを示す痕跡が何もなくなってからも、まりさは酷く塞ぎこんでいた。 1日のほとんどをゆっくりハウスに頭を突っ込んだまま過ごし、楽しいおもちゃにもお庭が見える窓際にも近寄らない。 最低限のゆっくりフードしか口にせず、ほとんどうんうんもしないし、故にシャワーさんを浴びることも遠慮する。 お兄さんが根気良くお外に行こう一緒に遊ぼうと誘っても、「ゆぅ……」とだけ呟いてもそもそとハウスの奥に引き篭もってしまう始末。 こうなってしまうと喋らぬ動かぬただの饅頭、いわゆる廃ゆんとすら呼べるような有様である。 ハウスの入り口からはみ出ている、僅かにうんうんのこびり付いたまりさのあにゃるを見下ろしながら、お兄さんは「ふぅ……」とため息をついた。 結論から言って、先日お兄さんのお庭に侵入した野良ゆっくり一家は、まりさが同情するに値する、野良にしては極めて善良な類のものだった。 何かしら飼い主と問題を起こして捨てられた元愛玩ゆに、身の丈に合わないしあわせー!を求めて山から下りてきた野生ゆが加わって成り立っている野良ゆコロニーは、基本的に自分勝手で思い込みが激しく、餡子脳傾向・ゲス傾向が高い。 元愛玩ゆにとっては少し跳ねたり這ったりするだけですぐにゆっくりできなくなる硬い地面さん。 森と異なり極端に少ないご飯さん。同じく安定的な供給など望めるはずもないお水さん。 雨風から身を守ってくれるまともなおうちもなく、人や車やその他の動物から徹底的に排斥される毎日。 そんなゆっくりできない環境の中では、たとえかつて飼いゆだったころやお山のゆっくりプレイスにいたころに”善良”なように見えていたゆっくりでも、容易く本来の甘ちゃんで極めて自己中心的な性質が露呈されるのだ。 絵本やTV番組やペット雑誌に描かれるような、孤独を嫌い、家族や群れの仲間と一緒に”ゆっくりする”ことを何よりの至上命題とする牧歌的な姿をゆっくり生来の生き方だと認識している人は多いが、それはいわば商業的なゆっくり業界が作り上げた、限られた条件でのみ成り立つ幻想である。 何はともあれ自分がゆっくりしていなければ始まらないのがゆっくりであり、不足しているしあわせー!を得るためなら、徹底的に駄々をこね、同胞だろうが生みの親だろうが実の子だろうが構わず裏切り、切り捨て、適当な言い訳をつけて制裁する。 辛い生活でも家族や仲間がいれば……といったゆー饅ドラマはお涙頂戴のヒューマンドラマと同じく、多くが創作の中だけの話。 まともなエサを取って来れない夫と、あってもなくても変わらない程度のおうちの留守番をする妻が互いに罵りあう。 都合のいい遺餡子の追憶や刹那的な快楽を求めてすっきりー!した結果として生えてくる小うるさいだけのうんうん製造機は飽きた頃に潰されるか食われる。 極限状態の中でも紛いなりに助け合いの精神を見せていたあの一家の方が、全体から見れば異端なのだ。 そして、そんな殊勝な同胞が非業の死を遂げたのを目の当たりにして心に大きなダメージを受けてしまったまりさも、やはりその異端の中に含まれる。 野良ゆっくりさんはお空のゆっくりプレイスに旅立ったんだね!ゆん国でゆっくりしていってね! あるいは ゆぁ~ん?あんなゆっくりしてない奴らは死んで当然なのぜぇ!しあわせー!は選ばれたゆっくりのものなのぜ! といった耳障りの良い解釈を持ち出して罪悪感を葬り去り、今ここでゆっくりしている自分はとりあえずこのままゆっくりする。 これが一般的な"善良"飼いゆだろう。 赤の他ゆんの喪に服すように、今まで享受してきたしあわせー!を拒絶しているかにも見えるまりさは、高級まりさの名に相応しく堅実な想像力を備え、感情移入能力が高いのだ。 ---------------------------------------------- 「ゆぁっ……」 何日か経って、ある時まりさはお兄さんに両手で掴まれ、ハウスの中から引きずり出された。 それは決して乱暴な動作ではなかったものの、その時点でほぼゆっくりハウスと柵の中だけで生活を完結させるようになっていたまりさは、ドキッとした。 もしかして……自分はこれからお兄さんに叱られるのではないだろうか。 今朝も「ご飯さんだよっ」と薄甘く温かい牛乳さんに浸けられたゆっくりフードを持ってきてくれたように、毎日甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるお兄さんにまりさはずっと甘えてしまっていたが、本来自分とお兄さんの関係はペットと飼い主。 ブリーダーお姉さんに教わってきたとおり、飼いゆっくりは飼い主さんをゆっくりさせるのが仕事である。 ここ数日は遊びの誘いもすべて無下に断ってきたし、不貞腐れたような顔でニートさんをしていた自分はきっとゆっくりできないゆっくりであっただろう。 「はい、ちょっとここで待っててね」 「ゆ、ゆぅ……」 テーブルの上に乗せられたまりさ。 ふいっと席をはずしたお兄さんの足音が地下室に降りていく。 お兄さんを待つ間、テーブルの上という逃げ場のない状況に若干のゆっくりできなさを感じながら、まりさは考えた。 お兄さんにゆっくり謝ろう。 自分がゆっくりできていないからといって、お兄さんまでゆっくりできなくさせるのは飼いゆっくりとして失格だ。 野良ゆっくりがゆっくりできていないことに涙しておきながら、一方では自分自身が大好きなお兄さんをゆっくりさせてあげられていない。 全く餡子脳もいいところである。何故自分はこんな基本的なことを忘れてしまっていたのか。 お兄さんに対する申し訳なさが急速に意識される一方で、まりさは不思議と心が落ち着くのを感じた。 そうだ、自分は飼いゆっくりだ。 それもブリーダーお姉さん曰く、高級で特別優秀なスーパー飼いゆっくりらしい。 自然公園の野良おちびちゃんや、街中の野良家族をゆっくりさせる力はないが、飼い主のお兄さんをゆっくりさせてあげることは出来るし、それが自分の使命である。 そう思うと、ぽーかぽーか温かな充実感が餡子の底から湧き上がってくる。 まりさは胸を張って、戻ってきたお兄さんを出迎えた。 「ゆんっ!おにーさん、いままで ゆっくりごめんなさいっ!」 「おっと、いきなり何だい、まりさ」 「まりさ、ずっとおうちにこもってばっかりで、おにーさんをぜんっぜんゆっくりさせてあげられてなかったよっ! ゆっくりしてないわるいこだったよっ!ごめんなさいっ!」 お兄さんはまりさの言葉を聞いて僅かに微笑みながら、テーブルの席に座り、まりさを真っ直ぐに見据えた。 身を屈めて視線を合わせてくれるお兄さんに、まりさは嬉しくなり、言葉を続ける。 「まりさ、はんっせい!したよっ!これからは ちゃんとおにーさんをゆっくりさせるよっ! ゆゆんっ……おにーさん!ゆっくりしていってねぇっ!!」 「うん、ありがとう。ゆっくりしていってね。でもまりさ、勘違いだね。 今日まりさに出てきてもらったのは、そういうわけじゃないんだ」 「ゆ、ゆんっ……?」 思えば数日振りになる挨拶、それも渾身のゆっくりを込めた元気な挨拶を存外さらっと流されて、まりさは肩透かしを食らった気分になった。 が、何はともあれお兄さんは挨拶に応えてくれたし、いつもと変わらず笑っている。 まりさが心配したように、怒っているわけではないようだが…… 「まりさ、君は他ゆんや他人をゆっくりさせてあげられないと、ゆっくりできないんだろう? 君のお父さんもそうだったし、そのお父さん、お父さんのお父さんのお父さんもそうだった。 君はみんなのために頑張れる英雄……”英ゆんまりさ”の餡系なんだよ」 「ゆ、ゆぅぅう……?」 「まあ難しいことはともかく。僕の可愛いまりさがゆっくりできてないのは困るからね。 まりさ、おちびちゃんを作ってみないかい? おとーさんになって、おちびちゃんたちをゆっくりさせてみないかい?」 「ゆっ!?」 おちびちゃん。 久しく忘れていたその響きに原初の記憶が呼び起こされ、遺餡子がおちびちゃんはとってもかわいいんだよ!と叫ぶ。 自分にそっくりの小さな存在が、ゆきゃいゆきゃいと笑いながら、すーりすーりを求めてくる様。 最強の自分が狩って来た豪勢なご飯さんを前に涎を垂らし、きらきらとした尊敬の眼差しを注いでくる様。 かつて自分もそうであったおちびちゃんの可愛い姿が思い描かれる。 そして何より、偉大な父の姿がついにこの身に当てはめられることにこの上ない栄誉が予感され、まりさは震えた。 「ゆわぁ、ゆわああぁぁ……!!い、いいのっ……?ほんっとうに、いいのぉ!?おにーさんっ!」 おちびちゃんを作ってはいけないというのは、高級ゆっくりなら誰でも餡の髄まで、それこそ餡統を調節されてまで叩き込まれている鉄則である。 それを意にも介さず、子作りを許可してくれるお兄さんは何て寛大なのだろう! 「まりさが嫌じゃなければね。ほら、これを見て」 「ゆゆー?」 お兄さんがまりさの目の前に、ぷーすぷーすさんの付いた筒を置く。 透明な筒の中は、薄っすらと白が混じった餡子色の流動体で満たされているようだった。 「お嫁さんをもらってきて、番にしてあげられるわけじゃない。 このおちびちゃんが生まれてくるお薬を注射して、まりさにしんぐるふぁざーになってもらう方法なんだけど、大丈夫かな?」 「ゆゆんっ!いいよっ!!まりさ、ぜんっぜん きにしないよっ!おちびちゃんをつくろうねぇっ!!」 期待の余り、ゆあーんゆよーんと体の上部を大きく揺らす。 お兄さんは「じゃあ早速」とぷーすぷーすさんを手に取り、まりさの額に近づけた。 「ゆびぃいいっ!!」 「はいはい、我慢してね」 瞬間、想像もしなかったような鋭敏な痛みがまりさを襲った。 「いたいよぉぉ!!ちーくちーくするよぉぉお!!おにーさん、たすけてえええ!!」 「頑張って、まりさ。お薬が入っていきますよー、はい、ちゅーっとな」 「ゆぇぇ、ゆえええんん!!ゆぁ……?ゆ、ゆあ゛……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 透明な筒の中に入ったお薬が注入され、まりさの額の餡子を圧迫し、掻き乱す。 皮の下を虫が這いずり回っているような鈍く強い痛みとゆっくりできない異物感。 今まで肉体的な苦痛を一切味わってこなかったまりさは、眉をひそめ、赤ゆっくりのように泣きじゃくった。 お兄さんはお薬を入れ終わると、指でまりさの涙を拭い、ぷしゃ!と漏れ出たしーしーをティッシュさんで拭き取った。 縋るような責めるような上目遣いでお兄さんを見上げるまりさにそっと手を伸ばし、優しく撫でてくれる。 そうしていると、見る見るうちにまりさの額から茎が伸び、たくさんの実ゆっくりおちびちゃんが生った。 一転ぱあああ!と顔を明るくするまりさに、少し前までの陰鬱な雰囲気はない。 「ゆわあぁぁ……!!ゆ、ゆっくりぃっ!!おにーさんっ!これ みてええええ!!」 「うん、この子たちがまりさのおちびちゃんになるんだよ。可愛いおちびちゃんでゆっくりしていってね、"おとーさん"?」 「ゆんっ!ゆゆんっ!!ゆっくりするよっ!おにーさんも、ゆっくりしていってねえ!!」 ゆーらゆーら揺れるおちびちゃんたちを見上げながら、まりさは涙ながらに感嘆の声を上げた。 茎に付いているのは、まりさにそっくりの小さな実まりちゃがたくさんと、かつてゆっくり牧場にいた頃のはつこいっ!相手だったれいむに似た、これまたたくさんの実れいみゅ。 あんなにちっちゃい体なのに、しっかりと息づき、わずかに上下しながらゆっくりと動いている。 その尊い尊い小さな命の輝きに、まりさの胸はQNQNと心地よく痛んだ。 おちびちゃんたちは自分の下で元気にぐんぐんと育っていき、いずれ立派に巣立っていくだろう。 その過程のあらゆる出来事を思い浮かべ、おとーさんになるまりさは餡子が芯からぽーかぽーか温まってくるのを感じた。 ああ、これでやっとしあわせー!になれる。 この時のまりさは、未だそう思っていた。 ----------------------------------------------- 親となり、守るべきモノが出来たまりさのしあわせー!な充実感は、しばらく続いた。 元気を取り戻したまりさは、額の茎で眠るおちびちゃんにたくさんの栄養がいくよう、もりもりご飯を食べるようになった。 身体の餡子が固まって茎に送る餡流が悪くならないよう、おちびちゃんたちが揺れ落ちないように気を使いながら、おうちの中をずーりずーりと飽きずに這いずり回って運動もする。 胎教ならぬ茎教として、夜はおとーさん自らの声で子守唄を歌い、ゆっくり生まれてきてねっ!と優しく語りかけた。 当然、飼い主たるお兄さんとの会話やスキンシップも以前のように活発なものになる。 可愛い実ゆっくりたちを共に見守る中で、まりさもお兄さんも笑顔が絶えなかった。 おちびちゃんたちが普段より一層ぷるぷると震えだし、まりさは世紀の瞬間がついに訪れようとしていることを直感的に察知した。 ずっと閉じられていた目が開かれ「うまれりゅ!ゆっくちうまりぇりゅうっ!」とわさわさ動き出したおちびちゃんの下に素早く自らのお帽子を敷き、息を呑んで待ち構える。 「「「おちょらをとんでりゅみちゃいのじぇえええ!!」」」 「「「れいみゅは きゅーとなえんじぇりゅしゃんっ!!」」」 ぽとんっ 「ゆぅぅぅううう……!!!」 「「「れいみゅは れいみゅぢゃよっ!!ゆっくちしちぇいっちぇにぇええ!!」」」 「「「ゆっへんっ!まりちゃは まりちゃなのじぇえ!!ゆっくちしちぇいきゅのじぇぇえ!!」」」 「ゆわぁああああ!!!や、やったああああ!!まりさのかわいいあかちゃん、ゆっくりうまれたよぉぉおお!!! ゆっくりしていってねええええ!!」 毛の長い柔らかなカーペットに置かれたふーかふーかなクッションの上のまりさの砂糖細工黒帽子の中に降臨した天使たち。 早くも姉妹同士でもぞもぞと蠢き、挨拶しあったり、すーりすーりし合ったりしている様子は実に可愛らしい。 傍で一緒に見守っていたお兄さんがまりさの茎を丁寧に折り、まりさが口に含みやすいよう短くしてくれる。 くっちゃくっちゃと噛んで柔らかくしたそれを吐き出すと、「ゆゆっ!!あみゃあみゃぁあ!!」とおちびちゃんたちが目をキラキラさせて叫んだ。 ちっちゃな体でゆっちゆっちとお帽子の中から這い出ようとし、ころころ転げてお尻を打ってしまった赤まりちゃを早速ぺーろぺーろして慰める。 「にゃんであみゃあみゃしゃん、こっち こにゃいにょぉぉお!!」と揉み上げをわさわさ伸ばして泣く赤れいみゅたちを、口で咥えて運び出してあげる。 そして、無事に姉妹揃って初めてのすーぱーむーちゃむーちゃたいみゅ。 「むーちゃむーちゃ!ちちちああああしぇええええ!!」としあわせさんを噛み締めている子ども達を前にして、まりさはこれこそが本当のしあわせ、真実のゆっくりだと確信していた。 これがまりさの楽しい子育ての、あまりにも早い絶頂期だった。 相手の気持ちだとか自分の置かれた立場だとか長期的に見た損得だとかを考えず、ゆっくりは自分に起こった出来事に短絡的に反応し、歯にお飾り着せず素直に感想あるいは妄想を実況する。 遺餡子の都合のいい記憶や、親ゆっくりがひたすら自分を誉めそやす言葉以外に何も知らない赤ゆっくりともなれば、その性質は最大限に発揮される。 特に赤ゆっくりの場合はこの世のすべてが自分をゆっくりさせるために存在するという思い込みすらあり、ゆっくりできないことに対して我慢することをせず、ちょっとしたことで大げさに傷つき、騒ぎ立てる。 そして、「ゆっくりしたい。ゆっくりさせないものは許さない」という赤ゆっくりの尊大な願望を、動く饅頭に過ぎない親ゆっくりが満たしてやることは不可能に近い。 元々徹底的にゆっくりできない野良ゆの場合はもちろん、見かけ上のゆっくりプレイスを維持している野生の群れにおいても、実際に始まった子育ては究極にゆっくりできないものであり、故に赤ゆのほとんどは「ゲスだった」という名目で潰されるのだ。 賢い高級ゆっくりであるまりさは幸い、そういった悲劇的あるいは喜劇的ともいえる事態には陥っていない。 しかし、まりさはおちびちゃんが誕生してすぐ、再びゆっくりできなくなっていた。 飼われゆっくりとしての特異な状況が生み出すもやもやした苦しさが、まりさをじわじわと苛み始めたのだ。 …………。 「むーちゃむーちゃ!!ちあわしぇええ!!やわやわふーどしゃん、とっちぇも おいちーにぇっ!!」 「ゆっきゅりできりゅんだじぇっ!!もーしゃもーしゃっ!ゆぅぅうんっ」 「おにーしゃんっ!まいにち ありがとぉおお!!ちあわちぇ、ちあわちぇえええ!!」 「……ゆっ。おちびちゃんたち、よかったねっ……」 野生や野良の家族と異なり、ここではおちびちゃんのためにご飯さんを狩って来るのは父親たるまりさではない。 「おとーしゃっ、おにゃかすいちゃーっ!」が「おにーしゃんっ!おにゃかすいちゃーっ!」に変わるまで、時間は全くかからなかった。 優しいお兄さんは、噛む力の弱いおちびちゃんたちのために、柔らかく温かいフードさんを持ってきてくれる。 それは自分がカチカチフードをただおちびちゃんの口に入る大きさに噛み砕いただけのものより、明らかにゆっくりしているのだった。 …………。 「おちびちゃんっ!といれさんはこっちだよっ!こっちこっちっ!!ゆあっ……あ゛あ゛、まって!まってねっ!!ゆっくりがまんして――」 「ちーちーでりゅうう!!!ちゅちゅちゅっきりゅいぃぃぃいい!!」 「まりちゃの うんうんしゃんも、おでかけしゅりゅんだじぇええっ!!ちゅぅぅうっきりー!!」 ご飯さんを食べてお腹いっぱいになったおちびちゃんたちは、緩いあにゃるまみゅまみゅから、すぐにうんうんしーしーを漏らす。 「といれしゃんってにゃに?あみゃあみゃ?」という具合で、そもそもうんしーを決められた場所にしなければならないということを理解していない。 れいみゅとまりちゃに続いて他のおちびちゃんたちが次々にその場でうんしーを垂れ流していくのを、お口ひとつお下げひとつのまりさは呆然と眺めることしか出来なかった。 「ゆんやあああ!!うんうん、きもちわりゅいいい!!しーしーも くっちゃああいいいのじぇええ!!」 「きれいきれいしちぇえええ!!おひめしゃまの れいみゅが ないちぇりゅんぢゃよぉおお!?」 「ゆっくちできにゃいいいい!!びっだんびっだんっ!!」 「ゆぁ?ん?おかじゃりのないゆっくちがいりゅんだじぇっ!! くっしゃい うんうんしちゃのは、おまえにゃのじぇ?しぇいっしゃい!にゃのじぇえええ!!」 「ゆぴぃぃぃいいい!!!どぼじでれいみゅをいじめりゅにょぉぉおお!!うんうんまりちゃは ちにぇえええ!!」 「ゆわ゛あ゛あ゛あ゛っ!お、おちびちゃんだちぃい!!やめてねっ!!ゆっくりしてねえええ!!」 泣き喚くおちびちゃんがころころばたばたと暴れ、全身に自らの排泄物を塗りたくって、さらに泣き叫ぶ。 お飾りの外れた赤れいみゅに、うんうんまみれの赤まりちゃが体当たりする。 あちらこちらで好き勝手暴れ回り、こーろこーろ転がってくるおちびちゃんを踏み潰さないよう、おろおろそろーりそろーりと近付く。 たくさんの泣いているおちびちゃんを前に、まりさの餡子脳はどこから手をつけていいのか、最初に誰をゆっくりさせればいいかゆー先順位がつけられない。 数十秒ほどゆーんゆーんと悩んだ後、ひとまず自分のあんよ元にぽすんと転がって来た赤れいみゅをきれいきれいしてあげることにした。 「おちびちゃんっ、あにゃるさんをゆっくりおとーさんのほうに むけてねっ!あにゃるさんだよ……ほら、ゆっくりずーりずーり…… ゆんやあ、どおしてゆーこときいてくれないのおお!!?」 「くちゃいい!!ゆっきゅりできにゃいいい!!ゆんやゆんやああああっ!!かなちーちぃいい!!」 「ゆぶぅっ!!しーしーがおくちにはいっちゃったよっ!!ゆぐぅ……!!ゆ、ゆゆんっ!!まけないよっ!」 お下げを使い、泣き喚く赤れいみゅを潰さぬよう、ゆっくりとお尻を向けさせる。 「ほら、おちびちゃん、あにゃるさんぺーろぺーろ、きれいきれ……ゆぶぁあっ!!ぐざっ!!」 「ゆんやああっ!!にゃんにゃの!!?れいみゅのうんうんしゃんが きちゃにゃいっちぇゆうのぉお!!? おちょーしゃんには あいじょうっ!ってものがにゃいにょぉおおおっ!!?」 「ゆぐっ!!ご、ごめんねっ!!きたなくないよっ!!ちょっとおどろいちゃっただけだよっ…… はい、きれいきれいできたね。せいっけつ!なあにゃるさんで、ゆっくりしていってねぇっ!」 「はああああ!!?ばきゃにゃにょぉお!?ちにゅにょぉおお!!? まぢゃうんうんのにおいがしゅるよぉおおお!!どこがきりぇいきりぇい(わらい)にゃにょおおお!!? しょれに、べっちょべっちょで、じぇんじぇんゆっくちできにゃいでちょおお!!?ちゃんと、ふーきふーきしちぇにぇっ!!」 「ゆ、ゆぅううう……!!」 親ゆっくりがおちびちゃんの体をぺーろぺーろして清潔を保つこと自体は、よく見られる光景である。 だが、そのきれいきれい、せいっけつ!はあくまで野外で生活する野生ゆあるいは野良ゆでの話。 砂糖水の唾液でべとべとになり、カーペットの毛がくっ付いて小汚くなった饅頭をしっかりと綺麗にできるのは、お水さんと布巾さんを使えるお兄さんだけだ。 まりさも一度ティッシュさんを駆使してふーきふーきにチャレンジしてみたが、結果としてティッシュがおちびちゃんの下部全体に張り付いてしまい、大泣きされてしまった。 「お、おにーさああんっ!!はやくきてええええ!!おちびちゃんたちが、うんうんしちゃったよぉっ! くさいくさいって、ないてるよぉおおおお!!」 おとーさんとして毎回最初は自分でおちびちゃんの世話をしようとするのだが、結局最後はお兄さんに頼らざるを得ない。 今度こそ今度こそと思いつつも、当然ながら毎回結果は同じ。 諦めてお兄さんを呼ぶたびに、まりさのプライドは少しずつ削り取られていった。 「はいはい、っと。ごめんね、準備してて遅れちゃったよ。 さあおちびちゃんたち、ゆっくりこっちに集まってねっ」 「「「「「ゆんやあああ!!おにぃいしゃあああんっ!!!」」」」 颯爽と現れたお兄さんの元に、おちびちゃんたちがもったんもったんと集まっていく。 お兄さんはまず赤まりちゃに噛み付かれていた赤れいみゅのお飾りを拾って元通りにつけ直し、次に慣れた手つきで次々とおちびちゃんたちのうんしーを処理していった。 わずかにしっとりとした綺麗な体に戻った赤まりちゃが、「やっちょゆっきゅりできりゅのじぇ」と横目で父親まりさを責める。 泣き疲れたところで再びゆっくりに包まれ、おちびちゃんたちはその場ですーやすーやと眠り始める。 お兄さんはそれを予想していたのか、赤ゆっくり用の小さなパジャマさんを取り出し、そっとおちびちゃんたちに着せていった。 おちびちゃんたちをゆっくりハウスのふかふかベッドさんに移動させて、まりさに「ゆっくりしていってね」と声をかけ、お兄さんは大図書館に戻っていく。 眠っているおちびちゃんを見守るまりさも、気疲れから、ついうとうとしてきてしまう。 可愛い寝息と微笑ましい寝言を呟きながら眠るおちびちゃんたちの姿は、彼らが茎についていた頃のように平和でゆっくりしている。 子育ての中でまりさがまともにゆっくりできるのは、ほぼこのすーやすーやたいむの間だけになっていた。 が、思えばおねしょさんでおちびちゃんたちが溶けてしまう心配なく、親である自分までこのように気を抜いてゆっくりしていられるのも、お兄さんがパジャマさんに縫い付けてくれたしーしーPADのおかげである。 朝でも夜でも、おねしょをしたおちびちゃんが目覚めて「きもちわりゅいよぉお!!おしめをかえちぇよおおお!!」と叫ぶのに対応できるのもお兄さん。 まりさは「ゆひーゆひー……」と余韻に泣くおちびちゃんをお下げで撫でて寝かしつけるだけ。 時たまちーちーで蒸れてかゆいかゆい「おむつかぶれっ!」になるまむまむをオレンジジュースで治してくれるのもお兄さん。 まりさのぺーろぺーろでは糖度が足りず、その場しのぎにしかならないのだ。 まりさは、剣呑な思いを抱き始めていた。 …………。 「はやきゅううう!!!まぢゃにゃにょぉおお!!?」 「もう おりちぇにぇ!れいみゅのばんぢゃよっ!!」 「ゆんやあああ!!どぼじでぞんなごというのじぇえええ!!!まりぢゃは がわいぞうな いかろすしゃんっ!!」 「ゆっ……!!ゆっ……!おちびちゃんたちっ、ゆっくりして いいこにまってようねっ! じゅんばんまもらないのはっ……ゆっ!……わるいこっ!だよっ!!おとーさん、おこるよっ!!ゆっ……!」 お腹を使ってトランポリンをしてあげているまりさの周り。 順番待ちをしている赤ゆっくりたちが、トランポリンで宙を舞っている赤まりちゃを罵倒する。 大好きなお空を手に入れてゆっくりできるはずだった赤まりちゃは、決まり文句を吐きながらも、涙を飛ばして泣いている。 張力の関係で、まりさは一度にせいぜいひとりかふたりしかトランポリンをさせてあげられない。 お腹に乗せてぐらぐら揺らすだけの「じしんさん」ならば恐らく全ゆん一度に相手できるのだが、おちびちゃんたちはもうその程度では満足してくれないのだ。 「おこりゅ?おこりゅだっちぇ!?にゃに ふざけちゃこと いっちぇりゅんぢゃっ!? もんくをゆーまえに、れいみゅたちをゆっくちしゃしぇちぇにぇっ!!このっくずっ!!にょろまっ!」 「じゅんじょっ!がちがうでちょおおお!!ぴゅんぴゅんっ!!おはなしに ならにゃいよっ!!」 「ゆゆっ!?ゆ……ゆっぅぅぅう……っ!!」 実の子からのクズ呼ばわりに途端に元気がなくなり、トランポリンも止めてへたれ込んでしまう。 普通のゆっくりなら制裁レベルの親不孝な物言いにも、まりさは強く出ることはない。 善良な高級ゆっくりだからではなく、確かに普段からゆっくりさせてあげられていない相手に対して、さらにゆっくりを我慢しろとは言えないと、自分でも納得してしまっているからだ。 先ほどまでトランポリンしてあげていた赤まりちゃが、ゆんやゆんやと泣きながらゆっくりハウスに跳ねていってしまう。 席が空いたとばかりに、残りのおちびちゃんたちも「れいみゅの とらんぽりんしゃんぢゃよっ!!」「まりちゃが さきだじぇっ!おにぇーしゃんにゃんだじぇっ!!」と喧嘩を始めてしまった。 まりさは再び数十秒ゆーんゆーんと慌てふためき、ふと、ある思い付きを得た。 お空を飛べないいーらいーらの矛先を父親に向けて「ゆっくりふえりょ!!たくしゃんでいいのじぇっ!!」と体当たりを始めていたおちびちゃんたちに向かい、久しぶりに父親らしい堂々とした態度で胸を張る。 「ゆっふ、おちびちゃんたちっ!それじゃあ、みんなでいっしょにおそらをとぼうねっ!!」 「「「「ゆゆーっ?」」」」 「ゆふふふっ、こっちだよっ!おとーさんに、ゆっくりついてきてねっ!」 自信饅々に宣言し、成ゆんらしいしっかりとした足取りでぽいんぽいんと跳ねていく。 後からぴょこぴょことおちびちゃんたちが着いてくるのを時々確認し、まりさはほっこりとした。 リビング隅にあるおもちゃ箱に到達したまりさは、おちびちゃんでは届くべくもないそこから、華麗なのーびのーびと自慢のスラリと長いお下げを使って、小さな魔女箒をいくつか取り出した。 これは元々、異変解決ごっこの際、成ゆんまりさがお下げで掴んで振り回すためのおもちゃである。 おちびちゃんたちを咥えてその上に載せる。 立てかけてあった成ゆん用の箒である「びゅびゅーん!まじょぼうき ~まりさはさいっそく!~」をその横に並べたまりさは、自らも楽しそうにそこに飛び乗った。 「いくよ、おちびちゃんたちっ!まりさたちはねっ、いへんっ!をかいっけつ!する、げんそーきょーのひーろーさんなんだよっ!! むげんのかなたに とびたつよぉおお!!それぇっ!びゅびゅびゅーんっ!!」 「「「「・・・・・・・・・」」」」 「びゅ、びゅびゅびゅーんっ……!!ゆ、ゆわわーいぃ……」 「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」 「びゅびゅっ……ゆっ………ゆぅ……」 「ばきゃなの?ちぬの?」 「ゆっ……」 笛吹けど踊らずというレベルではない。 たくさんの完全に白けきった軽蔑の眼差しが容赦なく突き刺さる。 この上なく滑稽なひとり相撲を披露し、醜態を極めたまりさは、嫌な汗がだらだらと流れ、別の意味で餡子がかぁっ!と熱くなるのを感じた。 「ねぇ、おねーしゃ……おちょーしゃんは、たりにゃいゆっくちにゃにょじぇ?」 「ゆゆぅ、こんなのがおとーしゃんにゃの、はじゅかちいにぇっ……」 「おお、あわりぇあわりぇ。おめでたい あんこのうしゃんなのじぇ……」 「びゅびゅーん(わらい)」 「ゆっ……ゆぅぅっぅ………!!ゆっぐ……ゆぇぇぇえ……!!」 「おにぇーちゃっ!おちょーしゃん、ないちゃったのじぇ」 「ゆえっ……おとなっ!なのに、だらしないにぇっ。しょれに、ぶっしゃいくぢゃよっ」 「ゆふー……かわいそーなおちょーしゃはおいといちぇ、れーみゅたちだけで ゆっくちしようにぇっ」 のそのそと去っていくおちびちゃんの背を見ながら、まりさは必死に口を結び歯を食いしばって、「ゆわあああんっ」と泣き出すのを堪えた。 お目目に湛え切れなくなった涙が溢れ出し、ぽろぽろと頬を伝っていく。 屈辱の極みでア゛ッー!と爆発しそうになる心を、ごっこ遊びも出来ない頭の弱い赤ゆっくりのくせにっ!と思い込むことで必死に中和する。 だが、やはり元を辿れば、帽子に乗せてTVさんも見せてない、絵本さんも読んであげられてないほんの赤ゆっくりである彼らに箒で空を飛ぶことを想像させようとしたまりさこそが、相手のことを考えない愚か者だったのだ。 大体箒ではなく亀さんに乗ってお空を飛ぶ赤れいみゅだっていたというのに、何て独りよがりだったんだろう。 「やあ。何をしてるんだい、まりさ、おちびちゃんたち」 「「「「ゆゆーっ!おにーしゃんだぁああ!!」」」 「ゆっ……!」 様子を見に来たお兄さんに、おちびちゃんたちは歓迎の声を上げてわらわらとすり寄っていく。 そんなおちびちゃんたちを潰さないよう足元に気をつけながら、お兄さんは真っ直ぐにまりさの元に来てくれた。 優しい優しいお兄さん。 泣いてる自分を見て、心配してしまったのだろう。 「まりさ、メソメソしてどうしたんだい?何かあったの。タンスの角にあんよをぶつけたの?」 「ゆぐぅぅ……ゆううう、ゆっく……!だいじょーぶだよ゛ぉ゛……!まりさ、へいきっ!だよ゛ぉぉ」 「そうなの?まあ、何かあったらすぐに呼ぶんだよ。 じゃあ僕はまた大図書館に戻るねっ、ばいばい」 度々のことなので、もうまりさの全身を引っくり返してくまなく調べたり、抱っこしてゆーらゆーらしたりはせず、僅かに眉をひそめて苦笑いするだけで、くるっと背を向けて帰っていく。 その方がまりさには有難かったが、一方でお兄さんの後を必死に追いかけていくおちびちゃんたちを見ると、そうも言っていられない。 要望が叶えられずゆっくりできないままのおちびちゃんたちとしばらくリビングに取り残されることを思い、まりさはどんどんゆっくりできなくなっていった。 「「「「ゆええええっ!!おにーしゃん、おうちかえっちゃ やぢゃあああ!!あちょんでええええ!!」」」」 「ゆっぐ……!!まっで、おにーざんっ!!まりざがらも、おねがいだよぉ……!!」 「おおう、今日はちょっち忙しいんだけどなぁ……まあ少しだけならいいよ。何して遊びたい?」 「おちょらっ!!まりちゃたち、みんなで おちょらをとびちゃいのじぇええ!!」 「ゆんっ!!おちょーしゃんじゃ、じぇんっじぇん!つかいものにならにゃいのじぇっ!!」 「あちょんで、あちょんでえええ!!れいみゅも、おちょらとびちゃああいい!!」 「了解了解」 ぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねるおちびちゃんたち。 お兄さんは棚から洗濯物の小物干しのような道具を取ってきて、おちびちゃんたちの前に屈みこんだ。 「今から皆一緒にお空を飛ばせてあげよう。でもその前に、おとーさんまりさに悪口言った子は、ゆっくり謝ってね」 「ゆん?ゆっくりりきゃいしちゃよっ!おにーしゃん、ゆっくちごめんなしゃいっ!!」 「違う違う。おとーさんに向かって謝るんだ。きっとさっきまでトランポリンさんしてもらってたんだろう? そんな殊勝な親をクズ呼ばわりなんて、ゲスな子のすることだよっ!めっ!!」 「「「「ゆっぴぃっ!!ごめんなしゃいっ!!」」」」 「ゆっ……」 お兄さんの言うことなら素直に聞き、素直に謝るおちびちゃんたち。 その様子を見る度、まりさは中枢餡にヒヤッと氷を当てられたような冷たさを感じるのだった。 「ゆぅぅん……おちょーしゃ、ゆっくちごめんにぇっ?」 「まりちゃたち、おとなげなかったのじぇ」 「きゃわいいれいみゅが、しゅーりしゅーりしてあげりゅにぇっ!しゅーりしゅーり」 「ゆっ……ゆぅ、いいよ、おちびちゃんたちっ。おとーさん、おこって……ゆ、ゆうん、なんとも、おもってないよ……」 まりさの言葉を最後まで聞くことなく、おちびちゃんたちは一転ゆわわーいとお兄さんの元に駆け戻っていった。 お兄さんが笑顔で迎え、持ってきた道具におちびちゃんたちを取り付け始める。 ヘッドフォンのようリング状のふわふわスポンジが対になったハサミがいくつもぶら下がっている改造小物干し。 小さなおちびちゃんたちの体がスポンジリングに優しく挟まれ、ぶーらぶーらと釣り下げられる。 この時点で「おちょらにうかんでりゅよぉぉ……!」とおちびちゃんたちは大満足だ。 すべてのおちびちゃんを取り付け終わったお兄さんは、ゆっくりと改造小物干しを持ち上げていく。 ぐんぐんと高度が上がっていくに従い、おちびちゃんたちの感動も高まっていき、一斉にゆさゆさゆさと体を揺らした。 「ゆわあああ……!!たかいのじぇえ……!!まじぱにゃいのじぇええ……!!」 「みちぇ!おちょーしゃんが、ごみのよーぢゃよっ!!」 「また悪口言って……それに、そんなに高くないでしょ。まあいい。いくよ、おちびちゃんたちっ」 腰の高さぐらいまであげた改造小物干しを時たまゆっくり上下させながら、お兄さんがリビングをのし歩く。 飛んで落ちるだけのトランポリンでは絶対に不可能な、本当の「びゅびゅーんっ」だ。 おちびちゃんは興奮できゃいきゃい もるもると激しく動き、うれしーしーが飛び散ってまりさのお帽子にかかった。 「さて、そろそろクライマックスだ。このスーパーふかふかクッションを下に敷いて……っと」 「ゆっ!ゆぅぅううう!!またあがっちぇりゅうう!!ぐーんぐーんっ!!ゆきゃきゃっ!」 「おにーしゃん、しゅごおおおいい!!」 改造小物干しが腰より上にどんどん上げられて、腕を伸ばしたお兄さんの頭の上、まりさが見上げることが出来る限界近くまで高められた。 お兄さんがさらに爪先立ちまでしたために、まりさは後ろにころんと転がり、無様に底部を晒す形となった。 「ゆわああああ……!!う、うちゅうなのじぇぇ……!!まりちゃ、ついにちきゅうをとびたっちゃのじぇええ!!」 「れいみゅ、ほんっとうのてんししゃんに なっちゃにょ?ゆぅぅぅん!!かんっげき!ぢゃよっ!!」 「おねーちゃんまりちゃは、かみしゃまなのじぇっ!!しゅべてをみおろす てんくうのおしろをてにいれちゃのじぇええ!!」 「ははっ。君たちは何度でも同じこと言うなあ。お空を飛ぶ力こそゆっくりの夢だからかな。 でも、そろそろ時間だ。最後に楽しんでいってね。はいっ、バ○スっ!!」 お兄さんが改造物干しの手元についたレバーを握りこむと、スポンジリングが一斉にパッと開かれ、おちびちゃんたちは同時にスカイダイビングッ!よろしく落下した。 「ゆっひょおおおお!!!まりちゃしゃまが、このふはいっ!しちゃしぇかいに、こうりんっ!しゅりゅのじぇえええ!!」 「れいみゅは みんにゃにしあわしぇとどけりゅ えんじぇるしゃんっ!!ゆっくちしちぇいっちぇにぇええ!!」 「「「「へぶんっ!じょうたいっ!!」」」」 揃って高らかに叫びながら、ぽすんとふかふかクッションに受け止められるおちびちゃんたち。 興奮冷めやらず余韻にぴくぴくと震え、うれしーしーやうれしゅっきり!を漏らしている。 しばらくしてのそのそと起き上がってきた小さな帰還者たちは、再びお兄さんの元に這いずり寄った。 「おにーしゃっ!もういっきゃい!もういっきゃい やっちぇにぇ!!」 「みんにゃで おちょらとぶの、たのしいのじぇ!!まりちゃたちは、ゆっくち なかよししみゃいっ!!」 「仲良いことはいいことだね。でも、もうおしまいだよ。あとはおとーさんに遊んでもらってね」 「「「「ゆええええ!!やぢゃやぢゃやぢゃあああ!!おにーしゃんじゃなきゃ やぢゃああ!!」」」」 「ゆぅぅう……おにーさん、まりさからもおねがいするよっ……!たかいたかいしてあげてねっ。もういっかいでいいよっ……」 まだ遊び足りないおちびちゃんが、お兄さんのお手手にすーりすーりぺーろぺーろしたり、転がって駄々をこねたりして、必死にアピールする。 「まりさの頼みじゃ仕方ないなぁ……」と言って立ち上がったお兄さんは、頭を掻きながら別のお部屋に行き、見慣れないおもちゃを抱えて戻ってきた。 高さは大体まりさと同じぐらい。 丸い土台の中心に棒が立ち、その上部から放射状に伸びた枝には、幅広の小さな箒さんや、ヒゲを生やした亀さんが釣り下がっている。 かつてお兄さんに連れて行ってもらったゆー園地に同じようなアトラクションさんがあったのを、まりさはかすかに思い出した。 お兄さんは土台から伸びている黒いコードの先の機械をまりさに見せ、説明した。 「いいかい、まりさ。このボタンを押すと、箒や亀が持ち上がって回り始める。 まあ空中ブランコのようなものだよ。ちょっと試してみようか」 お兄さんがおもちゃのスイッチを入れると、楽しいおうたが流れて、箒さんや亀さんが土台ぎりぎりまで下がってくる。 まりちゃおちびちゃんを箒さんに、れいみゅおちびちゃんを亀さんに乗せ、まりさのお下げを手にとってコードのついた機械のボタンをぽっちんと押す。 すると、箒さんや亀さんが吊り上げられて宙に浮き、ゆっくりとくーるくーる動き始めた。 「ゆゆっ!ゆわああぁぁ……!!おちょらをとんでりゅうう……!!」 「しゅごいのじぇええ!!おにーしゃんは、まほーつかいしゃんにゃのじぇえ!?」 「うちゅうゆーえい!みちゃいじゃにゃいけど、とっちぇもゆっくりできりゅにぇ!!ゆーらゆーらっ」 「おちょーしゃの びゅびゅーん(わらい)とは、ちがうにぇっ!!」 ゆきゃゆきゃと楽しそうなおちびちゃん。 それを見てうんうんと頷き、ゆっくりとした微笑を見せるお兄さん。 しばらくするとおうたが止まり、箒さんと亀さんが再び地面に戻ってくる。 「これで1セットだ。またボタンを押せば、おちびちゃんたち皆で仲良くびゅびゅーんできるよ。 まりさはゆっくり八卦炉も使えるし、大丈夫だよね」 「ゆっ……ゆっくり、りかいしたよ……」 「よしよし。じゃあ僕はもういくから、まりさ、これでおちびちゃんと遊んであげてね。ばいばいっ」 「ゆっ……」 まりさのお下げをぎゅっと握って、お兄さんは後は任せたとお部屋に戻っていってしまった。 それを追って転げていったおちびちゃんたちが、お兄さんがお部屋に入ってしまうのを見て追跡を諦める。 楽しそうな顔をして戻ってきて各々箒さんや亀さんの上によじ登り、眉をひそめたドヤ顔でまりさを見つめた。 その目は楽しそうにしているものの、遊んでくれる親への感謝や尊敬などは一切見られない。 係員さん、空気を読んで、さっさとボタンを押してね。 そんな感じだ。 「ゆぁん?はやきゅしちぇにぇ?」 「ゆっ……ゆん。おちびちゃんたちっ、ゆっくりくーるくーるして……ゆっくり、していってね……」 まりさがボタンを押すと再びおもちゃが動き出し、おちびちゃんたちが歓声を上げる。 気のせいだろうか、まりさの目線の少し上を行くおちびちゃんたちがゆーらゆーらと回ってくるたび、時折見下すような侮蔑の目を向けられているように思えた。 まりさは目を伏せて、ふかふかの床さんに置いたまん丸ボタンだけを見つめていた。 本当は逃げ出したいぐらいだったが、おうたが終わればまたボタンを押さないといけない手前、この場を離れるわけにも行かない。 おもちゃが奏でる楽しげなおうたに合わせて、おちびちゃんたちがお兄さんを称えるおうたをゆーゆー歌うのを聞きながら、まりさはいつまでもそこに佇んでいた。 つづく 何だか長いのしか書けないよ。その10ぐらいまでいっちゃいそうだよ プロットさん、ゆっくちぃ…… 挿絵:
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初期メンバー 紫、妖夢、パチュリー、(空、幽々子) 攻略 最初はチュートリアルダンジョン 道なりに進むと宝箱を2つとれる(バックラー、ローブ)ので装備しておこう 最期まで進むと赤いワープゾーンがあるので、そこに入るとボス戦(霊鳥路空) 適当に戦っても勝てるのて気楽に。もし負けてもワープゾーンの手前に戻るだけ。 倒せば霊鳥路空がPTメンバーに加入し次の幻想平原へ。 次のボスまでに宝箱は2つ(レザーアーマーとスモールシールド)があるので回収して装備しておこう レベル1だとさすがにしんどいので適当に雑魚と戦ってレベル2にしてからボス(vsブーヨ)と戦おう 誰か一人回復役にして他のメンバーで総攻撃すれば倒せるはず。 ブーヨ撃破後、次のマップへ移動 少し複雑なマップに見えるが、一本道。 最初に右側にすすんで宝箱を回収、回収したらもう一方のルートへ。 最後まで進むとボス戦(vs幽々子)、勝つと幽々子が仲間に加入。 ボス攻略 +... 太陽の畑1 空 Lv 2 HP 100 力 12 攻撃力 15 体力 20 防御力 0 器用さ 18 魔防御 0 素早さ 22 回避 0 賢さ 23 抵抗 10 運 5 EXP 30 火 - 水 - 地 ◎ 雷 △ 光 - 闇 - 魔 - 斬 - 突 △ 殴 △ 種族 空魔 装備武器 装備盾 リグル(式神) Lv 2 HP 60 力 11 攻撃力 15 体力 21 防御力 0 器用さ 15 魔防御 0 素早さ 21 回避 0 賢さ 20 抵抗 10 運 5 EXP 10 火 - 水 - 地 - 雷 - 光 - 闇 - 魔 - 斬 - 突 - 殴 - 種族 蟲 装備武器 装備盾 太陽の畑2 ブーヨ Lv 3 HP 300 力 11 攻撃力 30 体力 22 防御力 0 器用さ 16 魔防御 0 素早さ 16 回避 2 賢さ 20 抵抗 15 運 10 EXP 40 火 - 水 - 地 - 雷 - 光 △ 闇 ☆ 魔 - 斬 - 突 - 殴 - 種族 正体不明 装備武器 装備盾 太陽の畑3 幽々子 Lv 2 HP 100 力 11 攻撃力 15 体力 21 防御力 0 器用さ 17 魔防御 0 素早さ 20 回避 0 賢さ 21 抵抗 10 運 8 EXP 30 火 - 水 - 地 - 雷 - 光 △ 闇 ◎ 魔 - 斬 - 突 - 殴 - 種族 不死 装備武器 装備盾 レティ(式神) Lv 2 HP 60 力 12 攻撃力 15 体力 23 防御力 0 器用さ 15 魔防御 0 素早さ 15 回避 0 賢さ 21 抵抗 10 運 5 EXP 10 火 × 水 ■ 地 - 雷 - 光 - 闇 - 魔 - 斬 - 突 - 殴 - 種族 妖怪 装備武器 装備盾 →stage2 魔法の森 コメント チュートリアルダンジョンなので敵は復活しません -- 名無しさん (2012-01-06 20 02 27) 名前 コメント
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チート会SS 合計点<+29/ニート会です あチート会ですまで> チート会SS合計点<+29/ニート会です あチート会ですまで> ニート会です あチート会です<+2/千尋:吸血鬼じゃなかったのか!> 『ニートは元気になってもニートだしうつ病患者が明るく接する程度で治るくらいなら苦労はない』<+1/千尋> チート会所属のSSです。<+2/千尋:ニート会ww 誰が巧いこと(ry> 『関口奮迅』<+2/千尋:やっぱ京極堂のあれは屁理屈だよね!> 『駒沢の逃亡』<+2/千尋> 『駒沢の受難』<+2/千尋:いつまでも関口が鉄板だと思うなよ!> DSKING/SS 十人目 EA01<+1/千尋> DSKING/SS 九人目 服部投人<+1/千尋> DSKING/SS 八人目 伝説の剣豪MUSASHI<+1/千尋> DSKING/SS 七人目 サファイアラクーンの誘拐魔<+1/千尋> チート会所属のSSです<+2/千尋:恥ずかC-!><> DSKING/SS 六人目 てんこ<+1/千尋> DSKING/SS 五人目 夜渡咲<+1/千尋> チート会所属 『駒沢の決意』<+1/白金> チート会所属SS<+2/千尋:FS「あしたの虹」の意味が分かった> DSKING/SS 四人目 木下恭介<+2/千尋:「ふつう」の扱いが巧い> 播磨千針SSチート会所属<+1/千尋> DSKING/SS 三人目 セバスチャン=ポポルニート<+2/千尋> DSKING/SS 二人目 榎本和馬<+1/千尋> DSKING/SS 一人目 白金茉璃 <+1/千尋> ニート会です あチート会です<+2/千尋:吸血鬼じゃなかったのか!> エニート執事養成学校「岬の楼閣」では甲賀「風」忍法の授業があるんだよ 特に意味はないけど セバスチャン「ああ 面倒臭いなあ」 新渡戸否働「むむ どうした?セバスチャン授業が始まるぞ」 春のポカポカ陽気の日差しが差し込む渡り廊下 ここはエリート執事養成学校「岬の楼閣」 セバスチャン「にーとべ先生、こんなに天気が良いのに授業とか面倒じゃありませんか?」 新渡戸「そうだな、我々は親の財産や生活保護をあてにするニートという名のいわば吸血鬼、当然夜型だしなあ」 セバスチャン「先生も著書で仰ってたじゃないですか ニートとは働かざる事と見つけたり って」 新渡戸「よし今日は天気も良いし 庭で中二話でもするか!!」 先生もやっぱりニート体質 「ニート道」を書いただけの事はある セバスチャン「さすが先生!! そうだ吸血鬼だから蝙蝠使いとかどうですかね!!」 新渡戸「おお 蝙蝠とひきこもりをかけているのだな!!流石だなセバスチャン!!」 セバスチャン「二十匹蝙蝠(ニートヒキコーモリ)とかw」 新渡戸「うはwそれ良いなwぜってーおもしれーってw」 セバスチャン「じゃあ今日から私は吸血鬼を名乗りますねw」 新渡戸「単に夜型なだけなのになw」 セバスチャン「いやいやwちゃんと一族設定で魂喰ったりしますよw魂=血とか言えばいいんですよ」 新渡戸「ソウルイーター設定が面倒なんだろうww」 結局この日執事に関する授業が行われる事はなく 気持ちの良い陽気の太陽の元 元気に二人はサボってたって事ですね 『ニートは元気になってもニートだしうつ病患者が明るく接する程度で治るくらいなら苦労はない』<+1/千尋> ダンゲロス子によって確かにセバスチャンは元気になったよ セバスチャン「よし、私は今日とっても気分が良い!!だから明日から頑張るよ!!今日の所はまあ面倒臭いから引きこもるよ」 雨月病「そうだねえ、なんだろうかあの明るい女は死ねばいいのに、うつ病患者に明るく接するのはタブーだって事の常識も知らないらしいなあ、死ねばいいのに」 ニートは元気じゃないわけじゃい うつ病は何も考えずに明るく接すれば悪化する そんな常識も知らないダンゲロス子によって 2人の能力は強化されたのであった チート会所属のSSです。<+2/千尋:ニート会ww 誰が巧いこと(ry> 「名前と言うものにはすべからく意味があるのだよ。魔人達にとっては特にね。 白金の名を冠する者達は必殺の一撃を放ち、木下の一族は異次元転送の才を秘めている。 桂一門は皆呼吸をするかのように自然に死を操り、あっちんといえばウィルスの権威だ」 「それで?」 「つまり、だ。他者を使役し裏世界に君臨するぽぽの一族の末席に身を置かせてもらっている 私が自ら動こうとしないのは自然な姿だと言う事さ。同士よ、分かってくれたかな?」 「よりにもよってサボる言い訳がそれか!!後、ぽぽの一族の皆さんに謝れ!!」 「君だって昼間はあまり働かないではないか、人の事は言えないだろ」 「私はその分夜は多めに働いているわよ、一緒にしないで」 チート会が集会に使っている教室の片隅、もはや日常茶飯事となった吸血鬼の男女による 痴話喧嘩が今日も行われていた。 「これはお前のサボリで困っているお前の雇い主とチート会の皆の分!」 「うわらば!」 働く方の吸血鬼・夜渡咲のナッコウが働かない方の吸血鬼・セバスチャンのテンプルを強打する。 「そしてこれは吸血鬼全体のイメージダウンに怒る私自身の分よ!」 「さすがに何度も喰らうのは面倒だ、開けニート空間!」 20匹の大蝙蝠がセバスチャンの周りを飛び交い、それと同時に周囲に全ての攻撃を拒絶する 闇を生み出す。これこそがセバスチャンの奥義『二十匹蝙蝠』。彼の働きたくない気持ちから 生み出される絶対無敵空間(ただし自分も攻撃できない)だ。こうなったらこの空間が解除されるまで 夜渡に打つ手は無い。しかし、今日の彼女は一味違った。こうなった時の為にニート執事に お仕置きする秘策をちゃんと準備してきたのだ。 (夜渡はもう諦めてくれたかな?) 二十匹蝙蝠の限界時間が近づいてきたので闇からそっと顔を出すセバスチャン。 いつもなら夜渡が呆れてどっかいってしまうか瀬戸内寂聴先生辺りが喧嘩の仲裁に乗り出して くれている頃。 だが今日のセバスチャンの目の前にいたのは青ざめた顔で横たわる見知らぬ少女だった。 「た・・・助け・・・て・・・」 「君、どうしたっ!」 「げほげほっ、持・・・持病の前立腺の発作が・・・お願い・・・スカートを外して楽にして・・・」 「分かった、私に任せたまえ!」 ニートだが根っこの部分は執事であり紳士であるセバスチャン。少女の言葉に従い スカートのホックを外し足から抜く。そして―、 (ばくんっ!) 突然少女の股間から赤黒い何かが飛び出したと気付いた次の瞬間にはセバスチャンの顔が 生暖かいもので包まれ視界が闇に閉ざされる、今度のこれはニート空間によるものではない。 「いい演技だったわよ、出島君」 「もー、こういうのこれっきりにしてくださいね」 二人分の声が聞こえてきた。夜渡と少女の声である。セバスチャンは自分がはめられたのだと ようやく気付いた。 「後はあなたの能力でセバスチャンに力を与えるだけ。これで彼もやる気一杯になり真面目に 働くはず」 「そして、本気の吸血鬼が二人揃ったチート会に敵はないって事ッスね」 「ええ、そしてこれから行われるマンチグループとの戦いに勝てば世界を完全に操作できる。 ああ、もう一息で陽の光に苦しめられない世界が私のものに」 「世界のルールを変えればオレも普通の男に戻れるかもしれない」 「出島君、これからもよろしくね」 「まかせてください、男・出島キーラ、チート会の為になんだってしますよ。今回みたいな事以外は」 やがて二人の声が聞こえなり、セバスチャンの顔中の穴という穴から何かが流し込まれていく。 自分の体に未だかつて無いほど活力を感じながらセバスチャンの意識は遠のいていった。 これが、まだ今の半分ぐらいの規模だったチート会に出島キーラが加わった日に起こった出来事である。 そして今、セバスチャンはあの時から大きく変わった。 「働きたくないでござる!絶対に働きたくないでござる!」 「って肝心の所が全然変わってなーい!」 彼は以前よりもずっと精力的に全力でニート化していた。 「こんにちわー、今日からここでお世話になる五月病の雨月病でーす。あー眠い」 寝巻き姿で枕を抱えたのやる気ない顔をした男が入ってきて、入ってくるなりセバスチャンと目が合う。 「失礼ですが、あなたもニート体質ですね?」 「あなたもですか、おおっ同士よ!」 がっしと抱き合い肩を組みながらニート空間に引きこもっていくセバスチャンと雨月病を見て 夜渡はため息を付く。 「世界を自由に変えれるようになる前にこの組織の名前がニート会に変わるかもしれないわね」 『関口奮迅』<+2/千尋:やっぱ京極堂のあれは屁理屈だよね!> 「くそっ、駒沢の野郎、やはり裏切ったか・・・!」 関口は義憤に燃えていた。 駒沢がチート会を裏切った…その事実は、 関口にとっては予想していた未来の一つであった。 そもそも駒沢などは最低のロリコン野郎であり、 実家は浄土真宗・大谷派の寺の跡取りである。 坊主同士、寂聴とでもよろしくやっていればいいのだ。 それをあのクズ野郎はチート会を裏切り、 マンチグループの走狗となることを選んだ―― 「許すまじ、駒沢! 私がこの手で必ず殺す!」 「ど、どうしたんですか、関口さん。荒れてますね」 そこに話しかけてきたのは木下恭介。 むろん、関口とは旧知の仲であり、盟友である。 関口はカッと目を剥いた 「うるせー! このドヘタレが! いいか俺は知ってるんだぞ、 お前がどんな強い能力を持っていようと、 それが発動された試しなんて過去に一度も…」 「うわーーーー! 言わないでーーーー!」 「黙れ!」 そこに颯爽と現れたのは榎本和馬。 一瞬で関口を惨殺し、肉塊と化した。 「危ないところだった…今回の戦いは屁理屈が影響する勝負。 万が一ということもあり得る」 一方、肉塊と化した関口は復讐を誓うのだった―― 「おのれ駒沢、おのれマンチども… 今回は屁理屈が影響する勝負だと? この私が貴様らを皆殺しにしてやる…… 京極堂! きみの屁理屈を借りるぞ!!」 『駒沢の逃亡』<+2/千尋> いつものように手芸に興じていた駒沢の前に、人影が現れた。 エリエス「よくもやってくれたのう、駒沢よ」 駒沢「これは王女様、俺が何かしましたか?」 エリエス「とぼけるでない! おぬしの縫っておるそのぬいぐるみは、私への贈り物ではなかったのか!」 駒沢「え、そんなこと言った覚えが……」 エリエス「それなのにおぬしは他の女とイチャイチャしおって。それも二人も!」 駒沢「あ、あの、王女様……?」 戸惑う駒沢を余所に、エリエスは一人でなにやらブツブツとつぶやいている。 エリエスは、とっても思い込みの激しい女なのだ。 赤頭巾「駒沢お兄ちゃん、あそぼー」 そこへ空気を読まずに赤頭巾がやってくる。 エリエス「むむ、こやつが駒沢の女か! ファイエルよ、やっておしまい!」 エリエスの命を受け、ファイエルが無言で剣を抜く。 命の危機を感じた駒沢は、持っていたぬいぐるみを投げ捨てるとヤケクソ気味に叫んだ。 駒沢「チッキショウ! なんだか分からないけど、妙技・不知縫(シラヌイ)!」 赤頭巾を引き寄せ、抱きかかえたまま全速力で逃げていく。 赤頭巾「きゃっ! もう、駒沢お兄ちゃんったら、大胆なんだから」 赤頭巾は突然のことに驚きつつも、頬を朱色に染め、駒沢の胸に顔を埋める。 もちろん駒沢には、その温かさを感じている暇なんてない。 なんなんだ、このチームは。まともな人間がいないじゃないか。 もうこんなところにはいられない。 それでも、せめてこの子だけは守らないと。 駒沢「ああ神様、もしいるのなら、奇跡を起こしてくれ。俺に真っ当な人生を送らせてくれ!」 駒沢の祈りは、しかし届くはずがない。 奇跡を起こせるのは、王女エリエスだけなのだから。 白金「あ、駒沢先輩ここにいたんすか、全然気付きませんでした。また縫物を教えてくださいっす」 駒沢の姿を見かけた白金が声をかけるが、呼びかけを無視して彼は走り続ける。 背後からは剣を持ったファイエルが追いかけてきていた。 呼びかけに応える余裕などないのだ。 白金「ってどこ行くんすか! 待ってくださいよー!」 二人を追って白金も駆けてゆく。 こうして白金、赤頭巾、駒沢の三名は、マンチグループへと去っていったのだった。 駒沢の野郎、マジで許せねー。 一方その頃。 寂聴「あらあら、うふふ。これで心置きなく駒沢くんと戦えますね」 遠くから様子を見ていた寂聴は闘志をたぎらせ、肩慣らしとばかりに近くを通りかかった関口を、壁に向かってぶん投げるのだった。 関口「ぬわーーーっ!」 駒沢三部作 -完- 『駒沢の受難』<+2/千尋:いつまでも関口が鉄板だと思うなよ!> 審査員指定 千尋 いつものように手芸に興じていた駒沢の背後から、不意に誰かがぶつかってきた。 駒沢「うわっ! な、なんだ?」 白金「いたたた……。あ、駒沢先輩じゃないっすか。いつからいたんですか、全然気付きませんでした」 白金は悪びれた様子もなく笑うと、駒沢の手にある物を見て目を輝かせた。 白金「うわー、ぬいぐるみ縫ってるんすか? いいな、いいなー! ボクも縫物には興味あったんすよ、ちょっとやらせてください!」 白金は駒沢の返事も聞かずに針を奪うと、ためらいのない動作で自分の指に突き刺した。 白金「いってー! 指が、指がー!」 駒沢「……ドジってレベルじゃないぞ、まったく」 駒沢はため息をつくと白金の指を取り、そっと自分の口に含ませた。 白金「あ……」 突然のことに白金は驚き、頬を赤らめてじっと駒沢を見つめる。 やがて駒沢は白金の指に絆創膏を貼ると、「よし」とつぶやいた。 駒沢「これで大丈夫だろう。手芸は人の命すら奪う恐ろしい技だ。もっと気をつけて扱わないと駄目だぞ」 自分にかけられた言葉も耳に入らず、白金はぼーっと駒沢を見つめている。 そんな二人の前に、 赤頭巾「お兄ちゃん、その女、誰?」 いきなり赤頭巾が現れた。 その目は、自分の頭巾と同じくらい赤く血走っている。 駒沢「誰って、同じ仲間の白金じゃないか」 赤頭巾「……そう。そいつがお兄ちゃんを狂わせる魔女なのね」 駒沢「何を言ってるんだ? 待て、なんだその手に持った包丁は。よせ」 赤頭巾「お兄ちゃんどいて! そいつ殺せない!」 赤頭巾は叫ぶと、包丁を両手で持って、目をつぶったまま前に突き出した。 殺される――! 駒沢が死を覚悟した瞬間、 「ぎゃあーーーっ!」 目の前で悲鳴が上がった。 駒沢「?」 見ると、たまたま近くを通りかかった関口辰夫が駒沢の代わりに刺され、鮮血をまき散らしていた。 関口辰夫は死んだ。 赤頭巾「お兄ちゃんのバカーーッ!」 赤頭巾は泣き叫びながら走り去っていく。 その様子を呆然と見ていた駒沢の背後で、白金がつぶやいた。 白金「駒沢先輩……」 駒沢「え? あ、ああ、どうした?」 白金「責任、取ってくださいよね」 駒沢「せ、責任? なんの?」 白金「あー、ひどいっす! ボク、こんなことされたの初めてなんすからね! ゆ、ゆ、指をなめるだなんて、そ、そんなの、は、は、恥ずかしいっす!」 駒沢「あ、あのー、白金さん? 何を言って……」 白金「……ボクの初めてを奪った責任、ちゃんと取ってくれなきゃ怒っちゃうんすから」 駒沢「っ!」 いつの間にか周囲には異様な空間が生まれていた。 そのプレッシャーに気圧され、駒沢は身動き一つ取れない。 先に動くと、やられる! 白金「……えへへ。ちょっとびっくりさせちゃったっすね。すんませんっす」 やがて白金は緊迫した空気を解くと、満面に笑みを浮かべ、駒沢の腕に自分の両腕を絡ませた。 白金「ふつつか者っすけど、よろしくお願いしますね、先輩♪」 駒沢「……やれやれ、参ったな」 俺の人生はどうなるんだろう。 これからのことを思い、駒沢は大きなため息をつくのだった。 DSKING/SS 十人目 EA01<+1/千尋> 筆:チート会所属デスシャドウ トオいキおク ワタしハえガオをツクるタめにウみダサれタ。 ソシてイま わタシはカナしミをうミダしテいル。 アあ―― チちよハハよ、オコたエくだサい ワたシはなゼ、ヒトをコワさなケレば、ナらナいのデすか わタしハイツまデ、ヒとヲこワシツづけレばいイのでスカ DSKING/SS 九人目 服部投人<+1/千尋> 筆:チート会所属デスシャドウ 気づけば体が動いていて 気づけば何かが飛んでいった とある富豪の邸宅の話だ。 潜入部隊がしくじったらしく、いくらつぎ込んだのかすらわからない豪邸のそこかしこが にわかに慌しくなっていた。 「潜入班の撤退支援をする。ついてこい」 万が一に備えて周囲の庭園には、戦闘部隊がいくつか伏せられていた 拙者はそんな戦闘部隊の一つに所属していた。 部隊長の指示に従って、情報が錯綜してるらしい黒服の、まさにそれっぽい男たちの間を縫うように駆け抜ける どれほどの精鋭といえども、ただの人間だ。 生粋の隠密集団である拙者たちの動きは、混乱しているこの状況では、視界に捉えることすらできないだろう。 その時、右となりで、何かが潰れる様な音がした 見ればそこには、首から血を噴出す黒服の―― 考えるよりも先に 拙者はソレを投げ飛ばした DSKING/SS 八人目 伝説の剣豪MUSASHI<+1/千尋> 筆:チート会所属デスシャドウ 刃を高く掲げる 剣の道は本来、心を鍛えるものである。 今でこそ、侍といえば日本刀のイメージが強いが。 古く合戦ではむしろ、槍や、弓の方が比重が高かったといえる。 刃を振り下ろす ならばなぜ、これ程までに、普及したのか。 それはやはり、剣の道を究めたものは、その時代における時の人とみなされたからであろう 刃を高く掲げる 日々の鍛錬を通じて、理を学び、収める。 真に剣を極めたものは、剣を必要しなくなるという。 刃を振り下ろす であれば、私はまだ極めていないのであろう。 伝説の剣豪とよばれる私ですらも そして、刃を高く掲げ、振り下ろす 刹那、男の姿は木漏れ日の中をぶれ 直後、背後の巨木が、音を立てて崩れ落ちた 極めた先に何があるのか。 刀と共にあったといっても過言ではない人生。 最後まで付き合うのも、悪くはない――。 DSKING/SS 七人目 サファイアラクーンの誘拐魔<+1/千尋> 筆:チート会所属デスシャドウ ある、東欧の山村の話である。 羊飼いの青年がある日突然、その姿を消した。 その晩、村人総出で探したが、結局見つかることはなかった。 翌日、畑仕事に出ていた老夫婦が、その姿を消した。 その晩、村人総出で探したが、結局見つかることはなかった。 翌日、村を訪れた商人の一人娘が、その姿を消した。 その晩、村人総出で探したが、結局見つかることはなかった。 恐ろしくなって村を出て行く人間が現れた。 麓にたどり着いたものは誰も居なかった。 麓の自警団が異常を察知して捜索隊を組み、村へと向かった。 誰一人として、村にはたどり着けなかった。 やがて村から人が消えた。 そこに村があると知っている人間は誰も居なかった。 チート会所属のSSです<+2/千尋:恥ずかC-!><> 読む前の注意(このSSではすごいディック男木下をすごい男・果てしなきビックディック・ 木下一族の誰か(多分鏡介)の三人組という解釈で書かれております) 「待てー」 「待てるかー!」 「逃げるぞチート会の人、今は協力しよう!」 「言われなくてもスタコラサッサだぜ!」 「俺のチンコを好きにされてたまるかってモンだ!」 追う一人と逃げる四人、都合五名の男が逃亡劇を繰り広げていた。 追う男、播磨千針ver.Tは逃げる四人のチンコに興味があった。 マンチグループの男木下と彼と存在を共にするすごい男 果てしなきビックディック、 そしてもう一人の男?は播磨同様チート会所属の出島キーラ。 彼ら四人は陣営の壁を越え奇妙な友情とも思える連帯感を抱きながらチンコの測定と 切除をしようとするマッドドクターから逃げ続けていた。 「痛くしないからこっち来なさい君達!いまならアメちゃんあげるよ!」 「献血の誘い文句か!」 運動能力に大きな差は無いが逃げるのは四人に対し追うのは一人、バラバラに逃げたり 合流したりを繰り返し翻弄する事で誰も捕まる事なく1時間が経過した。 「うーん、困った。あの四人(キャラ数では二人)はそれぞれのグループを代表するチンコメン。 ぜひとも手術したいのだがなー、そうだあいつをよぼう」 頭に電球がキラメきポンと手を打つ播磨。片手メガホンのポーズで奴を呼ぶ。 「アイテム屋ー」「はいなー」 プリンを片手に乗せたプリン風な男が0.2秒で到着。 「バイアグラ一丁、御代は?」「プリン1個です」「安しー」 播磨はアイテム屋から購入したバイアグラの瓶の蓋を開け即座に逃げる三人の方に投げつける。 「おーい君達ー、アメちゃんだよー」 ピューン×4 「わーい」×4 パクッ×4 ボッキーン×4 バイアグラの副作用で脳に血が回らず四人は貧血で倒れる。目を覚ますと勃起状態のまま 手足が寝台に縛られ、播磨による計測が始まっていた。 「すごい男氏は凄いサイズー」 「すごい恥ずかC-ぜ!」 「キーラきゅんは邪気ティンを持たぬものには理解できないだろう大きさー」 「止めろー!今すぐ止めろー!」 「ビックディックの勃起は果てしないレジェンド級ー」 「嫌だぁぁぁぁぁぁぁ切られたくないぃぃぃ!!チンコは俺の全てなんだぁぁ!!」 「木下はポークビッツー」 「いっそ殺せー!」 「さーて、さてさて。今度目が覚めた時君達の股間がどうシャッフルされているのかお楽しみ~」 類まれなるチンコを持つ四人の絶叫が夜の病院に響きわたった。 完 DSKING/SS 六人目 てんこ<+1/千尋> 筆:チート会所属デスシャドウ 「こっこ。朝ごはんだから、てんこおねーさんを起こしてらっしゃい」 わかった、と言って、私は持ってた大根と大根卸を置いて、手を洗う。 冷たい水が心地よい。季節は冬。天気予報によれば気温は丁度0度。少し寒いけど寝起きの頭には丁度いい。 広い武家屋敷の西側の一室に、姉――てんこの部屋がある。 入り口からもっとも奥まったところにある所で、数多くある部屋の中ではもっとも不便な部屋だ。 部屋の中で、誰かが動いてる気配はない。まだ、てんこ姉は起きてないみたいだった。 「てんこ姉。あさごはん――」 そう声をかけながら、障子に手をかけて開けようとする。 けれども、私のその手は、中から響いてきた声にその動きを遮られた 「なんで命中率90%で避けられて、30%なのに当たるのよ!」 「……え?」 さっきまで、静かだった部屋の中からどたばたと……まるで地団太を踏むような音が響いてくる。 恐る恐る障子を開けると中では、寝巻きのまま毛布に包まって チカチカと明滅する、先日購入したばかりのデジタルテレビの前で、布団の上をぐるぐると転がっているてんこ姉の姿があった。 「てんこ姉。何、やってるの?」 「ゲームぅ……って、こっこじゃない? どうしたの?」 「いや、朝ごはんだから、おかあさんが呼んできてって」 その私の言葉に、てんこ姉は、あーと、何かを考えるかのように声を上げて しかめっつらの表情を貼り付けた頭のこめかみに、透き通るような、長く綺麗な白い人差し指をあてる。 そういて、小一時間うなって、てんこ姉はまた、毛布に包まってテレビのほうに向き、手に白い塊――テレビゲームのコントローラーを持つ 「って、てんこ姉。朝ごはんはー?」 「んー。いらなーい。私はゲームで忙しいの。早くトビーと合流しなきゃいけないの。それまでは貫徹よ!」 そしててんこ姉は、狐用ヘッドホン『コン=コン』を頭につける。 綺麗なしっぽが、ゆらゆらと楽しそうに左右に揺れている こうなったおねえちゃんは、私ではどうにもならない。 仕方ないので私は、障子を閉めて、てんこ姉の部屋を後にする。 「ふふふー。必中、熱血、努力、幸運。ボタン砲、なぎはらえー!!」 楽しそうな声が聞こえる。私は携帯を取り出して、おかあさんの番号を呼び出した。 数分後、寒空の下に、若い女の悲鳴が響き渡ったとさ。 DSKING/SS 五人目 夜渡咲<+1/千尋> 筆:チート会所属デスシャドウ 関東都市圏郊外に数年前に作られた自然公園。 都民の血税をつぎ込んでつくられたそこには、世界中から集められた様々な種類の花や木々で満たされていた。 けれども、利便性を度外視した立地から、そこに人々が訪れることは殆ど無く この公園内を見られるのは、環境維持用に作られた自動人形か、ここを寝床とした動物くらいのものだ。 ――私のような、人間外の存在を除いて。 時刻はまもなく、0時に指しかかろうとしている。 歩行用の石畳の通路の脇に等間隔に備え付けられた外灯の、その人工的な明かりの下。 同じようにぽつんと置いてある、真新しい木製のベンチの上に、私は一人座っていた。 私は、吸血鬼だ。 古くは18世紀。吸血鬼という存在が知られるようになったのは、その時代のイギリス帝国まで遡る。 病的なまでに白い肌に、鋭く伸びた犬歯。夜な夜な闇に紛れて無辜の人間を襲う、暗闇の貴族。 たかだか、当時は比較的裕福な層の娯楽でしか無かった小説を書く人間がなぜ、私たちという存在を知っていたかは知らない。 とにかく、その時から少しずつ、私達吸血鬼の存在は人間の間に知られていき、今日では、知らぬ者などそうはいない 怪奇の代表的存在となっていた。 カツンー 石畳を叩く音が、人気の無い公園内に木霊する。 まるで何かを告げるように、ぱちぱちと、頭上の電灯が点滅を繰り返しはじめる。 「良い夜ですね」 静寂を引き裂いて。来訪者は言う。 そこに居たのは、無貌の男。特徴のない、何処にでもいるようなそんな顔付の男。 「今宵は満月。人間達がいくら夜を明かりで埋め尽くそうとも、私たちの太陽は消えることはない」 そいつは、大仰な手振りで空を仰ぎ、高らかに歌い上げる。 その表情には、興奮の色が見て取れる。 いつもの事だった。 「自己陶酔もいい加減にして。私の家は遠いんです。早くしないと、人間たちの太陽にこんにちはされてしまうわ」 苛立たしげにそう私は呟くと、男はつまらなそうに表情を潜め、その右手を虚空へと突き出し、何かをつかむ動作をする。 刹那、ピシッ――と、何かがひび割れるような音が辺りに響き渡り、そして、暗闇の中に吸い込まれていった。 「ご注文の品。こちらに」 気づけば、男の手の先には、大量の輸血パックが載せられた台が現れていた。 「振込みはいつもの所でいいですよね。ご苦労様です」 「ええ。それでは私は、他のお客様も待たせているので、これにて――」 そう言って、男は消える。 後に残ったのは、両手で抱え切れそうにない大量の輸血パックと、不機嫌さだけだった 吸血鬼は、凡そ生物としては、もっとも強力な場所に位置するだろう。 だが、同時に、私たちは多くの弱点を抱えていて、それは私たちにとってはほぼ致命的なものなのだ。 だから私たちは、人間社会に溶け込んで生きていかなければならない。 自分の右腕を見る。 細い腕。病的なまでに白い肌。太陽の恵みを受けられないその証が、そこにはあった。 思考を振り払うように私は髪を書き上げて、夜空を見上げる。 私たちの太陽は、ただ優しく瞬いていた。 チート会所属 『駒沢の決意』<+1/白金> 審査員指定 白金 いつものように手芸に興じていた駒沢の耳に、悲鳴が飛び込んできた。 声のする方へ行くと、なんと赤頭巾がこん棒を持ったオッサンに襲われているではないか。 駒沢「あれは、関口! 死んだんじゃなかったのか!」 関口「ナンボや、ナンボ出せばええんや?」 なぜか関西弁の関口が凶行に及ぶ寸前、駒沢の手が光った。 駒沢「――妙技・不知縫(シラヌイ)!」 異常に鋭い針と強靭な糸を飛ばし、赤頭巾の衣服に縫い付けると、自分の手元へと引き寄せる。 関口「……?」 獲物を失い困惑する関口を余所に、駒沢は赤頭巾を抱きかかえたままI.Z.K.を駆使してその場を去った。 駒沢「ふう。ここまで来ればもう大丈夫だろう。関口め、さっさと死ねばいいのに」 一息つく駒沢を見上げ、赤頭巾が微笑む。 赤頭巾「ありがとう、駒沢お兄ちゃん」 駒沢「お、お兄ちゃん!?」 『お兄ちゃん』という言葉に顔を赤らめる駒沢。 赤頭巾「駒沢お兄ちゃんは他の男の人と違うんだね。男の人はみんな、私を見るとすぐに乱暴なことをしてくるの」 駒沢「ん、まあお子様には興味ないからな。俺は年上好きなんだ。 って言っても、いきなり人の命を狙ってくるような婆さんは勘弁だけどな、はは」 赤頭巾「決めた! 私、大人になったら駒沢お兄ちゃんとケッコンする!」 駒沢「は? お前、何を言って……」 赤頭巾「絶対いいオンナになってみせるから、それまでの間、私のことを守ってよね、お兄ちゃん♪」 赤頭巾は駒沢に抱きつくと、その頬に軽くキスをする。 駒沢「やれやれ、参ったな」 駒沢は戸惑いながらも、「まあ、こういうのも悪くないか」とつぶやく。 赤頭巾の無邪気な笑顔を見ていると、戦いの日々で傷ついた心が癒されていくような気がした。 この子は俺が守ろう。 駒沢はそう心に誓い、まず手始めに、関口をむごたらしく殺してやろうと思うのだった。 チート会所属SS<+2/千尋:FS「あしたの虹」の意味が分かった> いつものように手芸に興じていた駒沢の前に、寂聴が立ちふさがった。 寂聴「駒沢くん。悪いけど、死んでもらうわね」 駒沢「お前は、寂聴! なぜ俺の命を狙う?」 寂聴「あらあら、うふふ。そんなことも分からないの? 能力が『かぶってる』からに決まってるじゃない。分かったら、さっさと死んでね~」 駒沢「くっ!」 駒沢は得意のI.Z.K.を駆使してその場を離脱しようとしたが、その懐に、雷光のごとき素早さで寂聴が潜り込む。 存在感が薄い程度では、さとりを開いた寂聴の猛攻から逃れることなど出来ないのだ。 寂聴は超神秘的な仏教パワーを駆使して駒沢を掴むと、渾身の力を振り絞って投げ飛ばした。 描かれる放物線は、明日へとかかる虹の架け橋。 仏道とは投げることと見つけたり。 壁にぶつかる――! 駒沢が死を覚悟した瞬間、 「ぬわーーーっ!」 強い衝撃と共に、彼の背後で悲鳴が上がった。 駒沢「?」 見ると、たまたま近くを通りかかった関口辰夫が壁と駒沢の間に挟まれ、クッション代わりに押しつぶされていた。 関口辰夫は死んだ。 駒沢「ふう、危ない危ない。関口がいなければ即死だったぜ」 寂聴「あらあら、うふふ。命拾いしたわね。 これも運命なのかしら。この戦いが終わるまで、勝負はお預けとしておくことにしましょう」 寂聴は笑顔のままでその場を後にする。 その後ろ姿を見送りながら、駒沢は安堵のため息を漏らす。 彼女が敵じゃなくて良かった。心の底から、そう思っていた。 そしてもう、自分の代わりに死んだ人間のことなど、綺麗さっぱり忘れているのだった。 DSKING/SS 四人目 木下恭介<+2/千尋:「ふつう」の扱いが巧い> 筆:チート会所属デスシャドウ (これはあくまで二次創作です) 木下恭介は自分の事を「ふつうの子」だと思っている。 彼の中の普通の、その定義がどこにあるかは余人には与り知れぬが、とにかく、木下恭介は自分の事を「ふつうの子」だと思っているのである。 だから、「ふつうの子」である彼がまったく平静と眺めている光景は、「ふつう」の光景だと彼は疑うことすらなく思っている。 ぐちゃぐちゃと生々しい音が響く 悲鳴とも、なんとも区別のできない声が、そこかしこからあがっている ここは、深夜の繁華街から、すこし外れた裏路地の一角 世間様に余りよろしくないタイプの若者が集うその小汚い広場には普段とは違う「ふつう」の光景が広がっていた 音もなく空間に裂け目が入る。 夜闇よりもなお暗く、光すら吸い込む何かが、その先には広がっていた。 コンクリートの大地を埋め尽くすそのよくわからない「ふつう」の何かが、ねちゃねちゃと音を立てながら その闇に少しづつ、飲み込まれていく。 ――そうして、その「ふつう」のナマモノが、この世界からその容を消し去ったとき 木下恭介もまた、この世界の何処にも、居なくなったのである 播磨千針SSチート会所属<+1/千尋> ある日午前3時の電話にて 「はいはい♪こちら人体実験・死体の弄びを主業務とする首脳病院のものですが、千針君かな?」 「この電話が糸電話な時点でほぼ確定だろうが。さてここ一週間述べ53回、約38時間のような暇潰しの用件なら流石に回線もう切るぞ?」 「そんなわけ無いよ。今回は仕事よ。仕事。貴方には、チート会・マンチグループ双方の健康診断の手伝いを命じます。」 「で?報酬は幾らだ。」 「内容聞かないの?1G払うつもりだよ。」 「は?健康診断の手伝いで10億?この播磨千針。誠心誠意全力を持って当たる所存です!!」 「良かった。絶対に断られると思ったんだけどね。内容が内容だけに。」 「男に二言はねぇよ。じゃあ切るぞ?忙しい。」 「いやー。千針君冷たい。内容聞いてってよ。」 「はぁ。はいはい。聞けばいいんだろ。」 「うわーい。千針君大好き。でね。内容だけど『T』の実態調査をしてほしいの。」 「最近見飽きているから問題無い。」 「うん。知ってる。近頃のニュース『T』関連多いからね。内容は平時の状態の『T』の長さ太さ固さ皮の量その他諸々の計測してもらいます。」 「はいはい。」 「次に勃起過程の『T』における変化の量・速度を計測願います。」 「ん?壮絶に嫌な予感がするんだが。」 「でね。フル勃起の『T』も平時と同じように計測してください。」 「切ったほうが精神衛生上いい気がするな。これ。」 「そこから射精時の『T』の計測に入ります。主に精子関連の計測をお願いします。」 「このぐらい大丈夫だよな。俺。…OK問題ない。」 「対象が失神するまで繰り返してもらいます。精液は全て回収の方向で。」 「ええ。ここまでなら。ここまでならこの報酬で十分我慢できるはず。」 「そうここからが本題。これを千針君一人で、しかも無許可。こんな特攻じみたことに1Gで乗ってくれるなんて千針君ホントにいい子だね。」 「コトワラセテイタダキマス。」 「この会話録音してあるからキャンセルは無理だよ♪って回線切断済み!?『千針君一人』は冗談だったんだけどしかたないか。『T』のことは本人達に語ってもらうことにしよう。じゃあね~♪」 この後首脳病院で殺傷事件が巻き起こり、播磨千針はジャングルの奥地で発見されるわけだが多くは語らないでおこう。 DSKING/SS 三人目 セバスチャン=ポポルニート<+2/千尋> 面倒。 彼が口を開くと一言目にはそれが聞けるだろう。 流石に、喋ったり息をしたり思考したり生きることすら面倒……いや、彼は吸血鬼のため、滅多な事では殺しきれないのだが まぁ、そこまで世捨て人ではないけれども、彼はとにかく面倒くさがりやなのであった。 そんな面倒くさがり屋な彼であったが、そんな彼も生活する為には日銭を稼がなければいけないので こうやって仕事を仰せつかって、ここ――希望崎学園に訪れたのである。 「面倒だ。糸子様と御医様はどちらだろうか」 左手に抱えた日傘をすこし傾けて、彼は目の前にそびえる白い校舎を仰ぎ見る。 右手に持った風呂敷包みの中には、屋敷お抱えの料理人が丹精こめて作った弁当が収められている 使用人である所の彼も、休憩時間中に一口貰ったが、なかなかの絶品であった だがまあしかし、私は吸血鬼であるので、あの紅く滴る血の味には負ける……いや、嘘です。 人間の口にするものも棄てたもんじゃないな。 「面倒だ。さて、どうしたものか」 目の前には固く閉ざされた校門が見える。 一見まるで檻のようにすら見えるそれには、常人では知覚出来ないだろうが 出入りを封じる微力な結界が張ってあることが張ってあることが見て取れた 彼はしらない事であるのだが、問題児に溢れた希望崎学園。 そういった問題児が徒に学園を飛びださない為に、つい先日こしらえられたものなのだった。 まぁ、結界といっても微妙であるので 「面倒だ。壊せないこともないのだがー」 彼は働くことがとても嫌いである。何故ならば面倒だからだ。 この仕事自体も、適当に済ませて後はサボろうと思ってるくらい、ニート根性が染み付いている彼が 見るからに面倒そうな結界破壊を行うわけはない。 そうして、少しばかり考えた後――彼は、一つの結論に達した。 「面倒だから、諦めよう」 おあえつらえ向きに、手には昼食がある。 太陽の下を散歩するのも、久しぶりだ。折角の休日をゆったりと楽しむか―― その後、雇い主に灰直前にまで追い込まれる彼が、屋敷の一角で見られたという。 DSKING/SS 二人目 榎本和馬<+1/千尋> 「かっくん。試験結果どうだった?」 がやがやと喧騒に包まれた教室内。今さっき返されたばかりの数学の解答用紙を持って、学友の一人が私の所へやってきた。 「ははは。そう、他人の評価を気にするものでもあるまい。若いんだからな」 「何わけのわからない事を言ってるんだよ。さては――」 頭上で嫌な笑い声が響く。見れば、目は薄く細められ、両端に吊り上げた唇の隙間から、白い歯が覗いていた。 「なんだ、その目は。やめろ、その薄ら笑いをやめろ」 私はそう言って、杯を交わし、極道の道に入って三十余年。 その人生の半分以上もの時間をかけて培った眼力で持って睨む。だが―― 「凄んでも無駄だって。ふーん。へぇー。ほぉー」 そんな私の視線も受け流して、こいつは笑い続けている。 それは本来の私であれば、酷く不快なものだったが……私は、不思議と心地良かった 「その笑いをやめろっていっとるんだ!」 「わーい。かっくんが怒ったー!」 教室内を包む喧騒が、別の色を帯び始める。 鏡を見ればきっと、私は笑っている事だろう。 この日常を私は、大切にしていこうと思う。 明日をも知れぬ我が身なのだから―― DSKING/SS 一人目 白金茉璃 <+1/千尋> (あ、記述し忘れましたが、あくまでこれは二次創作です) 夕焼けに紅く染まる空。 希望崎学園の一角、文化部の部室が集まる生徒たちには文芸棟と呼ばれる校舎の三階に、彼女――白金茉璃は居た。 関東一帯の高等学校に存在する吹奏楽部全てを招いた、演奏品評会。それを翌日に控えた、最後の音あわせが終わったところだった。 「ねーねー。この後、どこ行こっか」 友人の一人が楽しそうに言う。厳しい先生の下、長い練習を終えた帰路に、仲のいい友人たちで何処かで時間を潰しながら帰るというのは この吹奏楽部に彼女たちが入ってからの日課だった。 「うーん。実を言うと、最近私ほら、色々買っちゃったじゃない? ……おかげで、財布がすっからかんでね」 とっても赤貧なんデス…… 楽器を片付けている友人が、苦笑しながらそう返した。 そういえば、親が共働きで一日中家を開けてる彼女は、いつもコンビニとかで適当に弁当をかってくるけど 彼女の今日の昼ごはんは、具材もなにもない、自作らしい海苔で巻いたおにぎりが一つだったっけ てっきりダイエットしてるんだと思ってた。 まぁ、クレーンゲームに五千円もつぎ込んで見たり、今希望崎学園の女子の中でひそかに人気の特大クレープ(なんと三千円也) なんて買ってたら、当然かな。 ……かくいう私も、今月はピンチなんだけどね。それに 「明日は、私たち一年が始めて出る大舞台。風邪なんて引いたらいけないし、今日はやめとこうよ」 そうなのだ。 なんてったって、明日は演奏会。私たちのこの一年の努力が試される日。 そんな大事で素敵な日を前に、何かあったら笑い話にもなりはしないのだ。 私の、そんな提案に、二人は特に異論もないらしく、そうこうしている内に、帰る準備は整っていた。 「そっかー。そうだよねー。明日は演奏会なんだよなー……。それに、茉璃は頑張っていたしね。 是が非でも健康で清い体で望まなくちゃ!」 何それと笑いつつ、愛用している木刀を右手に持って、私は立ち上がる。 ――そして私は、それを感じた。 研ぎ澄まされた……鋭利な刃にも似たその殺気を 「ごめん。急用を思い出したから、先に帰るね!」 左手に鞄をひったくって、私は慌しく教室を飛び出す。 そして、3分後 数年前、生徒会と番町の戦いによってぼろぼろになり、廃棄された旧校舎の2Fの廊下で 彼女はソレと対峙していた。 「名高い白金の剣。是非手合わせ願いたく、参り申した」 えらく古臭い、胡散臭い言動の男がそこには居た。 男はゆったりと両腰に回し、脇に挿していた刀を抜く ――二刀流! チリチリと、肌を焼くような殺意が空間に満ちていく。 私は鞄を廊下脇に置き、右手に持っていた木刀を構えた。 陽が、落ちる。 夕闇に落ちた校舎。月光の輝きに二人の姿が照らし出される 翌日、演奏会は滞りなく進んだという そこには、惜しくも優勝を逃したが、満足そうに微笑む白金茉璃が居た。
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;初SSに付き少々見苦しい点があるかも知れませんがご容赦を。 ;舞台は幻想郷ではありません。 ;鬼意山ではないので虐待はありません。 公園通りがかった時に鳩が交尾してたのを見たらつい書いてしまった。今は反省している。 ;書き終わってから思った事。鳩ってこんな喋ったり動いたりする様な得体の知れない物にものに近づかないような。 ;まぁゆっくりが出て暫く経つので餌という認識が定着したという事で。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 夜勤明けで帰宅する途中、何となく近くにある公園に足を運ぶ。 そこは都会には珍しく、比較的大きく緑の多い所だった。 適当にベンチを見つけて腰掛ける。 途中自販機で買った冷たい缶コーヒーをプシッっと開けて口にする。 朝の公園はまだ人も少なく、親子連れが二人と鳩達がまばらに居るくらいだった。 ふと、傍らの看板に目を向けると、注意書きがあった。 『ハトとゆっくりにエサをあたえないでください』 改めて辺りを見渡すと…あ、居たよゆっくり二匹。アレはゆっくりれいむとゆっくりまりさか。 バレーボール大の二匹は芝生の上で並んで空を見上げては「ゆ~」「ゆっくりぃ~」と、実にゆっくりしていた。 ゆっくりがこの世界に現れて早数年。ゆっくりブームも既に下火となって、殆ど見かけることは無かったのだが…珍しい。 俺もつられてではないが、何とはなしに空を見上げる。ビル街の中、ここだけは騒音や喧騒でなく、鳥の声等が支配していた。 まぁ長閑なもんだねぇ。コーヒーを含みつつ、ふとゆっくりに視線を戻すと、思わずコーヒー噴いた。 「ゆ゛ぅ!ま゛りざぁぁ・・・!」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ!い゛い゛よぉれ゛い゛むぅぅぅ・・・!」 オイオイオイ盛ってますよ朝っぱらから公衆の面前で。まぁ畜生だし仕方ないね。 「ママーあのゆっk」「見ちゃダメ!」 うわぁ親御さん気まずいだろうなぁ…。そそくさと離れていく。 しっかし悠長に交尾していて外敵に襲われたらどうするんだろうか?鳩の交尾なんか一瞬で終わるのに。 しかもやたら生々しい、見苦しい。いっその事石でも投げつけてやろうかと思ったが、大人気ない気がするのでやめておいた。 その内交尾も佳境に入ったようだった。 「イ゛グよおおぉぉぉぉぉぉれ゛い゛む゛ぅぅぅ!!!」 「ま゛り゛ざま゛り゛ざま゛り゛ンほおおおおおおおおぉぉぉっ!!!」 「「すっきりー!!」」 ピョーン!と二匹とも大きく飛び跳ね、とてもスッキリー!した表情でフィニッシュを決めた。…何だろうこの殺意は。 と、れいむの頭からみるみるうちに茎が伸び始め、幾つものゴルフボール大の赤ゆっくりが実っていく。う~ん、生命の神秘だなぁ。 そして交尾から数分も経たないうちに最初の一匹が生れ落ちた。 「ゅっくりしてぃっちぇね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 生れ落ちて初の挨拶を交わす親子。何とも微笑ましい光景だった。 「ゆ~すごくゆっくりとしたこだよ~」 「ゆゆ!さすがれいむとまりさのこどもだね!」 その後も赤ゆっくりはポロポロと生れ落ち、終いに10匹以上の赤ゆっくりに囲まれた二匹は幸せそうな笑みを浮かべていた。 と、そこに一羽のハトが近づいて来た。 「ゆ!トリさんもれいむたちのかわいいあかちゃんをみにきたんだね!」 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 無論鳩に言葉など理解出来る筈も無く、構わずにヒョコヒョコと一匹の赤ゆっくりの前まで来ると、 …おもむろに啄ばんだ。 「ゆ゛っ!?」 余りの出来事にゆっくり達は一瞬凍りつく。鳩は赤ゆっくりをどんどん啄ばみ、嚥下していく。 啄ばまれた赤ゆっくりは既に顔の大半を失い、虫の息だった。 「もっちょ…ゅっぎゅり゛…ちたがっ…」 「あがちゃん二なにするのおおおおおおおおおお!!!?」 「まりざのあがぢゃんをがえぜええええええ!!!!!1!!」 親まりさは怒号と共に鳩に体当たりをするが、それをあっさりとかわして再び赤ゆっくりの残骸を啄ばみ始める。と、 バサバサバサバサバサバサバサバサバサ! クルッポークルッポークルッポークルッポークルッポー 「「「「「ゆゆっ!!!??」」」」」 餌に有り付いた仲間を見たのか、大量の鳩が集まってくる。 「ゆっくりぃぃぃぃ!!?」 「おかあちゃんたちゅけてええええ!!!」 親ゆっくり二匹は必死に追い払おうと体当たりをするが、ゆっくりの体当たりが翼のある鳩に当たる筈も無く。 「「「「ゆ゛っぎゅりぃぃぃぃ!!!!!!??」」」」 親ゆっくりが他の鳩へ飛び掛っている隙を突いて、赤ゆっくりが一斉に啄ばまれる。 「たゃべないでえええええ!!」 「いちゃいよ゛ぉぉぉぉぉぉ!!?」 「ゆぎゃっ!ぅべっ!」 「「どおおしてぞんなごどずるのおおおおお!!!???」」 親ゆっくり達は泣きながら狂ったように鳩達に飛び掛るが、全く効果が無い。そして、 バサバサバサ! 「お~、カラスまで飛んで来たよ」 思わず呟いてしまった。鴉は親れいむを爪でがっしり掴むと頭から喰らい始めた。 「ゆ゛ッ!!?ゆ゛ぎゃあああああああああああああああああ!!!!」 「でいぶをはな゛…ゆ"ぎぇあああああああああああああああ!!?」 2羽目の鴉が飛んで来ると、親まりさを掴み(以下略 う~む、弱肉強食の野生の世界は厳しいんだなぁ。しみじみと頷く。 残っていたコーヒーを飲み干すと、もう悲鳴も聞こえなくなった鳥だかりを横目に何故かスッキリとした心持で公園を跡にした。 このSSに感想を付ける
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表示について 星の数はレア度を表す 最大で★5 ★1:N(通常種) ★2:PN(通常種~準希少種の間) ★3:R(準希少種) ★4:PR(希少種) ★5:SR(超希少種) 共通 〈通常時〉 ゆっくりしていってね!!! ゆっくり! ゆん! ゆん、ゆん、ゆん! にんげんさん、おはようございます!(善良種のみ) にんげんさん、こんにちは!(善良種のみ) にんげんさん、こんばんは!(善良種のみ) ねーねー、あそぼー、あそぼー?(愛で時、善良種のみ) もっとなでなでしてー(愛で時、善良種のみ) ゆっくりーのひー、まったりーのひー、らんらんらん! すーりすーりすーり(愛で時) こーろこーろ(旧バージョンのみ) ころころころー(旧バージョンのみ) ぜんそくぜんしーん!(ダッシュ移動中) わーい、まてまてまてー(ダッシュ移動中) わぁーい、ゆーっくりまってねぇ(ダッシュ移動中) わー、おそらをとんでるみたーい!(おそら) ぺーろぺーろ(他のゆっくりに対する慰め。食事時とは違い、イントネーションが観察日記におけるぺーろぺーろ) 〈おちび・家族関連〉 おちびちゃん、これからもずっといっしょだよ! いもうと、はやくおっきくなってね!(姉ゆ) おちびちゃーん! おかーちゃん! おとーちゃぁ〜! おねーちゃん! いもーとぉー! れいむぅー まりさぁー ありすぅー ぱちゅりー れみりゃー ふらぁーん ちるのぉー (みょん、さくや、ちぇんの名前呼びは未実装?) うまれるー、うまれるー!(出産時) 等 〈虐待時〉 やめてぇ!やめてね!やめてね! ゆんやぁゆんやぁゆんやー! ぷっくー!(ぷくー時) かえしてぇー かえしてよぅ(おぼうし没収) ごめんなさい、ゆるしてください!(善良種のみ) どうしてこんなことするのぉ!(基本ゲスのみ、子ゆを攻撃して怒らせると善良種も言う) やーじゃやーじゃ、おうちかえるぅ!(ゲスのみ) ゆっくりにげるよ(ゲスのみ) さむいーさむいよーだれかたすけてー(さむい…時) あついーあついよー!たすけてー!(炎上・あつい…時) もえてる〜もえてるよぉ(炎上・炎接近・あつい…時) どうしてほのおさんここにいるのぉ?(炎接近時) ほのおさんは、ゆっくりできないんだよぉ(炎接近時) ゲホッゲホッゲホッゲホッ(瀕死からの回復後) 等 〈食事時〉 わーい、ごはんさんだー! わーいわーい! ぺーろぺーろ むーしゃむーしゃ もーぐもーぐ ごはんさん、ありがとう!(善良種のみ) うめぇ!ぱねっ!(ゲスのみ) これめっちゃうめ(ゲスのみ) はっぱさんは、たべたくないんだよー(葉っぱ) これ、にがーい!(葉っぱ) なにこれ、すごーくまずいよ!(葉っぱ、ゲス) げろまず〜(葉っぱ、ゲス) おいしくないけど、がまんしようね!(葉っぱ、善良種のみ) くさーい! うんうん、くっさいよー!(うんうん) くさいよー! うんうんさんあっちにいってね!(うんうん) 〈空腹時〉 おなか、ぺこぺこー ゆんやぁゆんやぁゆんやぁ…(悲しい時とは別の泣き方) 〈うんうん体操〉 うんうんでりゅう〜 ゆっち、ゆっち ゆん! ゆん、ゆん、ゆん! 〈降雨時〉 あめさんだよー、ゆっくりできないよー あめさん、はやくあっちにいってねー とけちゃうよー、からだがとけちゃうよー 〈非ゆっくり時〉 おうちにかーえろっと! わーい、おはなさんだぁ! ゆっくりーのひー、まったりーのひー、らんらんらん! 〈非ゆっくりなりかけの時〉 やだやだやだぁ〜 やじゃやじゃおうちかえるぅ… おかーちゃん おとーちゃん 準共通 2〜4種間で共通のセリフ。 〈れいむ まりさ ちるの〉 ばーかばーか!(ゲス) 〈れいむ ぱちゅりー ちるの〉 もーっと、きもちよくしろー!(愛で時、ゲス) 〈ぱちゅりー ちるの〉 ごはんさん、ありがとうね(食事時、善良) 〈れいむ ふらん〉 あそんで、あそんでー!(愛で時) 〈ありす ぱちゅりー みょん さくや〉 はやくあやまりなさい!(ぷくー時 ゲス化) がんばりなさい、いまいくわ(他ゆへの虐待時) これはけんこうにいいわ!(食事時、葉っぱ) ごはんさんはどこかしら(狩り時) 〈ありす ぱちゅりー さくや〉 とーってもたのしいわぁ! 〈ありす ぱちゅりー〉 あまあまをはやくよこしなさい!(ゲス) そんなんじゃ、ぜんぜんかんじないわ!(愛で時、ゲス) そんなことしちゃ、だめなのよ(ぷくー時、善良) とってもおいしいわ!(食事時、善良) かりさんにいくわ!(狩り時) おなかがすいたわ(空腹時) 〈ぱちゅりー みょん さくや〉 わたしに、かわいいあかちゃんができたわ!(妊娠時) 〈れみりゃ ふらん〉 うー☆ うー☆うー☆うー☆ はやくあまあまをよこすんだどー(ゲス) ぎゃおー たーべちゃうぞー(ゲス ぷくー時 ゲス化) もうおこったどー(ぷくー時) どうしたんだどー、だいじょうぶかどー?(他ゆへの虐待時) とってもおいしいどー!(食事時、善良) ごはんさんどこだどー?(狩り時) おなかがすいたどー(空腹時) すごいどー、あかちゃんができたんだどー(妊娠時) れいむ 画像左側の個体が胎生妊娠形、画像右側の個体が植物妊娠形 通常種 レア度:★x1 1~9円(ランクC) 200~3000円(ランクB以上) 最もよく見かけるゆっくり。特徴は赤いリボンと2つのもみあげ。中身は漉し餡。 オプションパーツ(ランダムに装備する、プレイヤーが着脱させられない小物)はお花。左もみあげに握っている。王冠を被せると魔法少女ステッキに変化。 もみあげは長毛型・短毛型・わさ型の3種類があり、現行版では左右で種類が異なる場合もあるため、もみあげの形状だけでも合計9種類のバリエーションが存在する。(性格に影響は無い) 胎生妊娠形のれいむは黒髪で、植物妊娠型のれいむは茶髪。 主なボイス 通常時(全て善良種のみ) ゆっくりしようね! れいむね、しあわせだよー! れいむね、おうたがじょうずなんだよ! いっしょにうたおうね! れいむのもみあげさんをゆっくりみてね、すごーくかわいいでしょー? れいむのもみあげさん、おかーさんにほめられたんだー、れいむのたからものさんだよ れいむはしょうらいね、りっぱなおかあさんになるんだよ!そして、ずーっとずーっと、みんなとゆっくりしつづけるんだよ~! わぁーい、きーもちぃー!(愛で時) 等 れいむ種の通常時ボイスは善良とゲスとで完全に独立しており、共通のものは無い。 虐待時 たすけてー、れいむをたすけてー!(ゲスのみ、善良は固有ボイスなし) ゲス種 ここをれいむのゆっくりプレイスにするよ! このうんこどれい れいむ、おこるとすっごくこわいんだよ? れいむ、あかちゃんがいっぱいほしいよ!そしたら、みーんな、ゆっくりできるのにねー 等 ゲス種(愛で時) ぜんぜんきもちよくないよ? れいむはね、みんなのアイドルなんだよ れいむ、かわいすぎてごめんねー ぷくー時 れいむまけないもん! れいむ、おこるとすっごくこわいんだよ? ごめんなさいしようね!(善良種のみ) 他ゆへの虐待時 どうしたの、だいじょうぶ? がんばれ、がんばれー! ゲス化すると れいむまけないもん! れいむ、おこるとすっごくこわいんだよ? 等(いずれもゲス種、ぷくー時と共通) 食事時 おいしい! 狩り時 かりさんにいくよ! ごはんさんどこなのー? 空腹時 れいむおなかすいたよー? 妊娠時 あかちゃんができたよ!れいむにあかちゃんができたよ! おそら れいむはちょうちょさんだよー! かつてのれいむはもみあげが現在より若干上にあった まりさ 画像左側の個体が胎生妊娠形、画像右側の個体が植物妊娠形 レア度:★x1 通常種 2~15円(ランクC) 200~3000円(ランクB以上) れいむ種と同じく見かける頻度が高いゆっくり。 特徴は黒いとんがり帽子と片方だけ編まれたおさげ。中身は粒餡。 オプションパーツは木の棒(えくすかりばー) おさげに握っている。王冠を被せるとおもちゃの剣に変化。 現行版では長毛型・通常型・短毛型・めさ型(0.5a5~0.5b9では未確認)の4種類のおさげがある模様。 どの個体も語尾は「のぜ」となっており、いわゆる「だよまりさ」は存在しない。 胎生妊娠形のまりさは髪が黄土色で、植物妊娠型のまりさは髪が茶色っぽい。 主なボイス 通常時 まりさはおまえをぜったいにまもるのぜ! まりさはぼうけんのたびにでるのぜ! まりさはしょうらい、さいきょうのどすになるのぜ!おとーさんがそういってたのぜ! がんばるのぜ、がんばるのぜー!(うんうん体操中) おちび、はやくおおきくなるのぜ!(おちび保有時) まりちゃのちゃちゃちゃ~、まりちゃのちゃちゃちゃ~、まりちゃまりちゃのちゃ・ちゃ・ちゃ〜(愛で時) 等 善良種 まりさといっしょにぼうけんのたびにでるのぜ! まりさはしあわせなのぜ~ ゆっくりするのぜ きもちいいのぜ〜、くせになるのぜ〜(愛で時) もっとツンツンしてほしいのぜ(愛で時) 虐待時 まりさをはやくたすけるのぜ~!(ゲスのみ、善良は固有ボイスなし) ゲス種 おまえはゆっくりできないのぜぇ〜 まりさこのまえ、ひとゆでありさんをたおしたのぜ! まりさは、つよいてきとたたかいたいのぜ!もうありさんはらくしょうなのぜ! まりさは、けんかでまけたことないのぜ! まーりさーはつよいー、いーちばーんつよいー まりさはつよいのぜ ま・り・さ・は・つっよい・の・ぜ~! 等 ゲス種(愛で時) ツンツンがぜんぜんたりないのぜ もっとツンツンするのぜ! まりちゃのきゅーとなひっぷで、みんな、めろめろなのぜ! 等 ぷくー時 まりさはつよいのぜ まりさはおまえを、ゆるさないのぜー! まりさとしょうぶなのぜ!まりさはぜったいにまけないのぜ! はやくごめんなさいするのぜぇ? 等 他ゆへの虐待時 どうしたのぜ? がんばるのぜ まりさはおまえをぜったいにまもるのぜ! ゲス化すると まりさとしょうぶなのぜ!まりさはぜったいにまけないのぜ! はやくごめんなさいするのぜぇ? 等(いずれもぷくー時と共通) 食事時 とってもおいしいのぜ! まりさはこれで、がまんするのぜ!(葉っぱ、善良種のみ) これ、すごーくまずいのぜ(葉っぱ、ゲス) あまあまがたべたいのぜ!(葉っぱ、ゲス) ケーキ投与時 すごいのぜ~、ケーキさんなのぜ~ ケーキさんっ、ケーキさんなのぜー 等 狩り時 ごはんさんどこなのぜ〜? かりさんにいくのぜ! 空腹時 おなかすいたのぜぇー 妊娠時 できたのぜ!まりさにあかちゃんができたのぜ! ありす 画像手前側の個体が胎生妊娠形、画像奥側の個体が植物妊娠形(この画像ではみょんを妊娠) レア度:★x1 通常種 5~40円(ランクC) 800~6000円(ランクB以上) れいむ種やまりさ種の次によく見るゆっくり。 特徴は赤いカチューシャと金髪。中身はカスタード。 オプションパーツはお花。カチューシャの装飾として頭に付ける。 前作においてはゲス個体のありすが他のゆっくりを捕まえて強制的にすっきりーを行う「れいぱー」という仕様が存在した。 今作でもCランクはれいぱーとして描写されているが、それらしいセリフを言うのみで実際にゲーム内の行動としてれいぽぅを行う事は無い。 植物妊娠型のありすは髪色が茶色ぽく、胎生妊娠形の髪色は黄土色。 主なボイス 通常時 とっかい!とっかい! とかいは! ありすはとかいはよ すてきなであいがしたいわ! 等 善良種 すっごく、いいきぶんよ あなたとかいはね ありすとってもしあわせよ わたしがこーでぃねーとをしてあげるわ! わ!とーってもおしゃれね! 等 ゲス種 わたしのあいを、うけとりなさーい! んほぉお〜 んっほ、んっほ、んほぉお~ そこのあなた! そこのあなた、いっしょにあいしあいましょう! いいわ〜!もっともっとついてちょうだい!(愛で時) 等 食事時 とかいはなごはんをありがとう 妊娠時 ありすにたからものができたわ!すてきなあかちゃんよ〜 ぱちゅりー 画像左側の個体が植物妊娠形(赤紫色)、画像右側の個体が胎生妊娠形(青紫色) レア度:★x2 通常種 15~50円(ランクC) 1000~9000円(ランクB以上) ありす種とちるの種の中間ほどの頻度で見るゆっくり。 特徴は桃色の帽子と紫色の髪。中身は生クリーム。 オプションパーツはまどうしょ。口の下あたりの位置に固定されている。 森や海では出現率が上昇する。ぱちゅりー種を多量に用意したい場合は森を探すと良い。 観察日記と同様、他種より寿命が短く設定されている。(v0.29fまで) 胎生妊娠形のぱちゅりーは、髪色が青紫色で、植物妊娠型は、髪色が赤紫色。 主なボイス 通常時 むっきゅっきゅー! むきゅ、むきゅ! むきゅーぅ まどうしょによるとね ふむふむ、なるほどぉ 等 善良種 わたしにわからないことは、なにもないわ! わたしはしあわせものね からだのちょうしがいいわ! なんでもきいてね! 等 ゲス種 あなたはおばかさんなのね ゲホッゲホッゲホッゲホッ 等 ちるの 画像左側の個体が胎生妊娠形、画像右側の個体が植物妊娠形 レア度:★x2 飛行種 15~80円(ランクC) 1000~15000円(ランクB以上) おかざりによる追加特性を除けば非捕食種では唯一の飛行種であるゆっくり。 特徴は青いリボンと氷のような6枚羽。中身はアイスクリーム。 オプションパーツはカエル。頭の上に乗っけている。 飛行種の性質について 飛行能力を持ち、マップ内を三次元的に移動できる。挙動としては浮上(空中ジャンプ)と滑空を繰り返す形を取っており、空中で停止するような動きはできない。 手動操作モードではジャンプボタン(旧Aボタン)で飛行できる。ゆっくりと一緒にプレイヤーも移動するため、通常では登れないような高所に降り立つこともできる。 左右の髪の房(れいむ種のもみあげに相当する、破壊可能な部位)を破壊すると同時に羽も千切れ、飛行能力は失われる。 元ネタでは希少種扱いされる事も多いが、出現頻度はそこまで低くもない。 ゆっくり同士の戦闘において、攻撃時に相手を冷やす効果がある。逆にちるのは全ての寒冷効果を無効にする。 旧バージョンではぱちゅりー種と同様の寿命となっている(v0.29fまでクリーム系ゆっくりは寿命死が多かった) 胎生妊娠形のちるのは髪色が青で、植物型妊娠のちるのは髪色が水色。 主なボイス 通常時 さーいきょ! さいきょ、さいきょ! あたいったらさいきょーね! 等 ゲス種 おいおまえ! あたいのこぶんにしてあげる! あまあまもってこい! あたいにさからうの? 等 ゲス化すると あたいにさからうの? 等 食事時 さいきょうにおいしい! 空腹時 おなかぺこぺこぉ!(他種とはイントネーションが異なる) ちぇん 画像左右側の個体が胎生妊娠形、画像左側の個体が植物妊娠形。 レア度:★x4 準希少種 40~180円(ランクC) 8000~75000円(ランクB以上) 0.5にて追加 観察日記には登場しない、今作で新規実装されたゆっくり。 特徴は緑の帽子と猫耳。 少し出現頻度が低い。「わかるよー」が口癖。中身はチョコレート。 体の強度が低く、人間の攻撃などで1発攻撃すると2発分ぐらい食らう。ライトセーバーだと一発攻撃だけですぐに非ゆっくり症になる。 耳と尻尾は引き抜いてもロードを挟むと再生するため、他のゆっくりと同じようにいわゆる「ハゲ饅頭」にする事はできない。 植物妊娠型のちぇんは瞳の色が濃く、胎生妊娠形のちぇんは瞳の色が薄い。(v0.5から胎生妊娠形のゆっくりは瞳の色が変わった) 主なボイス 通常時 わかるよー、とーってもわかるよー? そうなんだねー ゆっくりーのひー、まったりーのひー、わっかるんだよー! ちぇんはかけっこがとくいなんだねー!だれにもまけないんだねー!わかるよー! とーってもきもちいいんだねー、わかるよー!(愛で時) もっとなでなでするんだね、わかってねー!(愛で時) うんうんがでるよーわかってねー!(うんうん体操中) 等 善良種 こんにちはなんだねー、わかるよー! こんばんはなんだねー、わかるよー! ちぇんといっしょにかけっこするんだねー!わかるよー! ちぇんはしあわせなんだねー!わかるよー! ちぇんはうれしいんだねー!わかるよー!(愛で時) 虐待時 どうしてこんなことするの~、わからないんだよ~ わからない〜わからないんだよ〜! ごめんなさい!わかってほしいんだよぉ!(謝罪形式だがゲス種でも発言する) かえすんだね〜すぐにかえすんだね〜!(おぼうし没収) あつい〜あついよ〜わかってねぇ!(炎上・あつい…時) さむい〜さむいんだね〜だれかたすけてほしいんだね〜!(さむい…時) ちぇんはにげるんだねー!わかってねー!(ゲスのみ) 等 ゲス種 ここはちぇんのゆっくりプレイスなんだねー!わかるよー あまあまをもってくるんだねー!わかれよー? ちぇんはさいきょーなんだねー!わかれよー? わからないよー? わかれよー! ちぇんにはさーっぱりわからないよー? ちぇんがかわいすぎてしかたないんだねー!(愛で時) 等 ぷくー時 わかるよー? ちぇんはもうおこったんだねー! 他ゆへの虐待時 だいじょうぶなんだね~、ちぇんがまもってあげるんだね~ がんばるんだね~、ちぇんがいまいくんだね~ 等 食事時 ちぇんはいっぱいたべるんだねー うんうんさんあっちにいくんだよぉ、わからないよー!(うんうん) ケーキ投与時 ケーキさんっ、ケーキさんなんだねー! 等 狩り時 ごはんさんでてきてねー?わからないよー? はっぱさんのにおいがするんだね、わかるよー?(葉っぱ) 妊娠時 ちぇんにあかちゃんができたんだね、わかるよー! おちびちゃんは、ゆーっくりできるんだねー、わかるよー おそら ちぇんはおそらをとんでるね、わかるよー ちぇんはつばさをてにいれたんだね、わかるよー 非ゆっくり時 わかるよーにんげんさんはちぇんのことがすきなんだよーわかるよー どうしてこんなことするの~、わからないんだよ~ みょん(ようむ) 画像左側の個体が植物妊娠形、画像右側の個体が胎生妊娠形 レア度:★x4 準希少種 100~200円(ランクC) 15000~90000円(ランクB以上) v0.28kで追加 ありす種、ぱちゅりー種、ちるの種よりも出現頻度の低いゆっくり。(観察日記の頃よりも更に出現しなくなった?) 特徴は黒いカチューシャと銀髪。中身は白餡。 オプションパーツは木の棒(はくろーけん) 口に咥えている。 原点では通常種扱いだが、このゲームでは希少種扱いなのか売値も極めて高い。また淫語しか喋れない「淫語みょん」は登場しない。 基本的に語尾に「みょん」と付くが、一部のボイスはありすやぱちゅりーと同じ女言葉の汎用セリフになっている。 植物妊娠型のみょんは髪色が白色で、胎生妊娠形は髪色が灰色。 主なボイス 通常時 みょんみょんみょーん ゆっくりのーみょーん、まったりのーみょーん、みょんみょんみょーん みょんはともだちだみょん(善良種のみ) うんうんでるみょーん(うんうん体操中) 等 ゲス種 みょんにかてるとおもってるみょん? みょん、そこのおまえみょん! はやくあまあまもってくるみょん! 虐待時 ごめんなさいみょーん(善良種のみ) ぷくー時 みょんとたたかうみょん! みょんにかてるとおもってるみょん? 食事時 とーっても、おいしいみょん! ごはんさん、ありがとうだみょん これはみょんのごはんだみょん(ゲス) 出産時 うまれるみょん、うまれるみょん さくや 画像左側の個体が胎生妊娠形、画像右側の個体が植物妊娠形 レア度:★x5 希少種 100~200円(ランクC) 25000~120000円(ランクB) 原点でも希少種とされているゆっくり。 特徴はプリムと銀色のおさげ。中身は(このゲームではそうは見えないが少なくとも原点では)プリン。 オプションパーツは歯ブラシ。口に咥えており、近くに汚れ状態のゆっくりがいると磨いて綺麗にする事がある。 今作ではみょんと同等以上に出現頻度が低くなっており、売値も最高クラスとなっている。 観察日記と同様、基本的にはゲス捕食種の捕食対象にならない。 植物妊娠型のさくやは髪色が白色で、胎生妊娠型は、髪色が灰色。(みょんと同様) 主なボイス 通常時 おじょーさま、おじょーさま おじょーさま! なにかごようですか あなたにちゅうせいをちかいます(善良種のみ) うんうんがでますぅ(うんうん体操中) 等 ゲス種 あなたはめしつかいね はやくおじょーさまにごはんをはこびなさい 等 食事時 とってもおいしいですね! すてきなおりょうりですね! これはわたしのごはんです(ゲス) 等 空腹時 はやくおりょうりしないと… 出産時 うまれますぅ、うまれますぅ れみりゃ(れみりあ) 画像左側の個体が胎生妊娠形、画像右側の個体が植物妊娠形 レア度:★x3 捕食種 60~150円(ランクC) 7000~50000円(ランクB以上) 廃墟でよく見かけるゆっくり。 特徴はこうもりのような羽と牙。中身は肉饅。 捕食種の性質について ランクC〜Bの捕食種は設定次第で他のゆっくりに対して、身体に噛み付いて引き摺り回し体力を吸収する「捕食」を行うようになる。羽の破壊やあんよ焼きなどで移動能力が損なわれている状態でも行う事ができ、与えるダメージ量は体格差によって変動する。 同じ捕食種であるふらん種も同様の性質を持ち、また捕食種同士は捕食の対象にならない。加えてさくや種も例外とされている。 設定についてはゆっくりにっきのステージ①の「タイトル画面」を参照 過去版では他のゆっくりと比べて移動速度・飛行速度が速かったが、現行版では個体ごとにランダムの模様。(他の種類のゆっくりも同様)また、0.5a~0.5a5では飛行できないバグがあった。 現行版では糸目型と丸目型の2種類のバリエーションがある模様。丸目の方が若干少ない。 胎生妊娠形のれみりゃは髪色が紫色で、植物妊娠形のれみりゃは髪色が赤紫色。 主なボイス 通常時 ゆっくりの~うー☆まったりの~うー☆れ・み・り・あ・うー☆ れみりあうー☆ もっとぷにぷにするんだどー(愛で時) 等 善良種 れみりゃといっしょにゆっくりするんだどー いっしょにあそぶんだどー れみりゃしあわせ〜(愛で時) とってもきもちぃーどー!(愛で時) 等 ゲス種 さくやぁ!さくやぁ! ぷにぷにがたりないどー(愛で時) 等 ふらん 画像左側の個体が胎生妊娠形、画像右側の個体が植物妊娠形 レア度:★x3 捕食種 60~150円(ランクC) 7000~60000円(ランクB以上) 廃墟でよく見かけるゆっくり。 特徴は枯れ枝に結晶が生えた様な羽と牙。中身は餡饅。 捕食種の為、設定次第でランクC〜Bは他のゆっくりを襲いはじめる。 れみりゃと共通するセリフは語尾に「どー(だどー)」とつく。 植物妊娠型のふらんは瞳の色が濃く、胎生妊娠形のふらんは瞳の色が薄い。髪の色も胎生妊娠型のふらんがべたっと塗ったような色をしており、植物妊娠型のふらんは胎生妊娠型に比べ、髪色が薄い。 主なボイス 通常時 おいかけっこしよ! いっしょにあそぼー!(善良種のみ) なにしてあそぶ?(善良種のみ) 等 ゲス種 わたしとあ・そ・べー! つまんない、つまんなーい! 等 過去版ではサイドテール有りの髪型がデフォルトだったが、現行版ではサイドテール無しがデフォルトとなっている。 コメント(編集できない場合やメモなどに) コメントログ 名前 昨夜は☆3じゃない?普通にレミフラと同じ頻度で出てくるし。 - え (2024-04-30 22 36 37) まりちゃにリンゴのかぶりものはよくにあうのぜ - 名無しさん (2024-02-20 17 27 34) 可愛いらしいでしょうか -  (2024-01-14 14 02 38) おいかけっこしよ -  (2023-12-29 16 45 59) ↓ゆっくすで合ってます。前作からの変更点はれいぽぅをやらなくなっただけで普通のゆっくすはやります - れみどん (2023-12-25 18 04 24) ありすを2ゆんくっつけてたらBありすがAありすの後ろに回ってBありすが腰?をめっちゃ振ってました。そしたらそれが終わった時に、Aありすが妊娠してました。これってゆっくすですか? - フシギダネ (2023-12-25 17 09 49) なんかとてもいい -  (2023-12-17 16 44 31) 捕食種はつい愛でちゃうな - ソンス (2023-07-18 10 42 10) 糸目れみりゃが死ぬとき目を開くことがある - 酒 (2023-07-17 12 12 40) お腹すいたときの台詞が可愛い - 名無しさん (2023-06-29 19 55 26)
https://w.atwiki.jp/cheaterhound/pages/5.html
Cheaterの名前、Cheatの種類などの情報を求めています。 リスト 名前 内容 報告状況 COLT-M4A1 キャンベル 済 [ZAKO] キャンベル 済 ???AM HSチート 済 JGPT-TA キャンベル 済 KENTAKIRA キャンベル 済 URIA キャンベル 済 SOCO キャンベル 済 COGRE キャンベル 済 $TINNPOKO$ ボウイナイフ使用スネーク 済 (YOU) キャンベル 済 DAIKI-FOX キャンベル 済 70GB チートオセロット 済 0910_KYO キャンベル 済 THE=JOY キャンベル 済 [LITTLE BOSS] キャンベル&ノーマナー 済 AOI@N キャンベル 済 !SILENT DEATH! チートヌル 済 HIRONARU KGBチート・稼ぎ・ノーマナー 済 チートの種類 不死身チート HS無効チート スタミナ無限チート 当たり判定頭チート(HSチート) ありえない早さの蟹歩きやしゃがみ撃ちでない動きでHSされたら可能性高し 結構見分けがつかない。 ワープチート>自分で始めにワープ開始位置の座標A(ステージ)とワープ後の座標Bを記憶させて、AB間をワープ移動する。高速移動も確認された(ロイなどと違って自分たちにはどうすることもできず、腹が立つだけなので退散することをオススメします。RCでは戦績も付くので。 ttp //youtube.com/watch?v=CUUzFJxN9JY 麻酔弾化チート(SMGやARに使用される) ノンリロードチート 無限ステルスチート フルオートSAA ttp //www.youtube.com/watch?v=acw8CCapWMQ フルオートMK22 ttp //www.youtube.com/watch?v=5ZATVtAINvU mode=related search= 動画からサプレッサーまで無限と確認。 フルオートSVD ttp //www.youtube.com/watch?v=yx05b1zeeaQ mode=related search= 前人未到のフルオートロケットランチャー ttp //www.youtube.com/watch?v=xJ0rIR7JXE0 (4連発までしか出来ないなら全スロットランチャー、チートの場合「ボシュシュシュシュシュ…」と何十発も連続で飛んでくる) 兆弾するM63 7.62x54弾を発射するAK47 キャラクター系チート キャンベル&ネイキッドスネーク使 ウルスラでジーン専用ナイフ使用を確認 ユニーク専用装備を使用(女医で蟹レーザー装備を確認→通報) M63に耐えるソコロフや強すぎるパラメディック(HP量やスキルのチート) 外観組み換え?(プレイしてる本人のみにしかそう見えない改造データでそれを使う環境用意しないと無理です) ↑逆に本人には一般兵に見えても他人から見るとウルスラなどがある。 ユニ無し部屋なのにユニークキャラが入ってくるのはこれが原因。 ステータス改造(スキルALLsやユニークの異常な体力など) ↑ユニークにARのHS耐えれる奴はいません。耐えたら間違いなくチート。 ↑FOXやソ連兵でもSVDのHSに耐える兵士は未確認です。耐えたらチートだと思いましょう。 ↑SVDのHSは1000以上のダメージをもっています。それで死ななかったらチート。HSチートやHS無効や、無敵チートは改造兵士と違ってそのチーターがチート機能をオンにしている限り全ての兵士に適応されるので戦っている間は、確認できるのでラグの可能性も考えましょう。 量子加速/超加速チート(ラグではなく異常に足が速い) ホフク時に無敵 山猫部隊・KGB・GRUの体力が200以上は正規では手に入らないとの事。 AKでHSしても生きているのは明らかにチートキャラ。もし正規(交換以外)で体力が200以上のものをお持ちの方は教えて下さい。 ↑AP/GPSの特殊兵士:Vz61/M10なら160(=初期100以上)あれば耐えれます。AKで生きてるのはチート。 ナイフ突きは種類やスキルに関係なく、210のダメージ。ユニークはすべて耐えられない。FOX兵士はガーコやマガジン兵士だと210以上になる可能性がある。ソ連兵でも210以上になる。山猫・KGB・GRUで耐えたら100%チート 間違えやすい項目 とりあえずラグによる位置ズレなどが原因で発生してます 武器の種類もあるので相手の武器も良く見よう ローリング中のHS&即死(近接でよくあるのとナイフでも発生) CQC中のHS&即死(上と同じ) 敵が立ち上がった直後にHS 広範囲ナイフ即死 MK22のHS(ロックオンしたまま乱射しても出る可能性があるっぽい)←ないby VAN ↑ラグで複数発分がまとめて判定されたっぽい、もしくはまったく育てられてないキャラ by 7TH ↑距離によってまぐれ当たり系のHSが出るの確認したw OFFで検証時間5時間 by 7TH ↑中距離でもスキルCで相手が動いていた場合結構当たる(5%ぐらい?)。AKなどでも確認。 by蓮@ 壁貫通攻撃(爆発系&SAAによる眺弾) ハメ技(近接RPG、ショットガンハメ、TNTクレイモア・・・) ↑ショットガンの場合2人の敵+ラグで確実に脱出できなくなります。チートではなくマナーが悪いだけ ジェームズボンドとか白衣と機関銃とか ↑政府高官や女医でも工作員で出した状態の変態兵であれば一般兵以上の強さになります。 ※HPの検証 HPはたとえ15でも250でもホスト側や他プレイヤーには見え方は同じ(%量で表示される) 但し攻撃によるHPの減少量が違う(100%中の何%減ってるか)のでそれで判断するしかない もしHSでHPが半分以上残ってる場合はチートの可能性大 参考 ttp //www23.atwiki.jp/mgsops/pages/239.html CMCM隊員もチートの集まりです。←リンクが本物の[CNCM]様になっていたためリンクは削除しました。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3081.html
注意書き 虐待お兄さんが行方不明になります ゆっくりが普通のゆっくりとは違います 以上 日が沈みかけ、薄暗くなってきた山の中にゆっくり達の悲鳴が木霊していた。 「もうやだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!だずげでえええええええええええええええええええええ!!!!」 「おねがいだがらもうやべでくだざいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 叫び声をあげるゆっくり達の中には一人の男が居た。 麓の村に住んでいた男だが、男は己のことを『虐待お兄さん』と名乗っていた。 趣味はゆっくりを虐待し、殺すこと。 だから男は今この上ない幸福を感じていた。 何故なら、ゆっくりを己の手で痛めつけて殺しているからだ。 無様に喚き、悲鳴を上げ、何もできずに死んでいくゆっくりが男は好きだった。 正確には、ゆっくりを殺す事が男は好きだった。 右腕で殴り、左腕で投げ、右足で踏み、左足で蹴る。 己の四肢を振るうだけでゆっくりは死んでいく。そんなにもゆっくりは脆かった。 中にはもちろん抵抗するゆっくりも居たが、人間に敵うわけがなく男に殺されていった。 「おちびちゃんたちはいそいで逃げてね!! まりさが囮になるからね!!」 「まりさごめんね…… 急いで口の中に入ってね!! ゆっくりしないで逃げるよ!!」 「みゃみゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 家族を逃すため囮になろうとしたまりさは掴まれ、逃げようとしたれいむにぶつけられた。 口の中に居た子ゆっくりは潰れ、親のまりさとれいむももう動かなかった。 「人間なんかれいむ達の敵じゃないよ!!!! ゆっくり死んでね!!!!!」 「「「「「「「ゆっくりしんでね!!!!」」」」」」」 仲間と一緒に体当たりを仕掛けてきたゆっくりは、一匹残らず殺された。 ただ潰されたゆっくりは幸せだっただろう。数匹のゆっくりは底面の皮を破くだけで男は済ました。 動けば中身がこぼれて死ぬ。動かなくても徐々に中身がこぼれていって死んでしまう。 迫り来る死という恐怖に泣き叫ぶゆっくりの姿は相変わらず滑稽で、男の顔は笑っていた。 普通の人間であるならば、これだけの悲鳴を聞いていれば発狂するだろう。 しかし、男は『虐待お兄さん』である。今この場で感じているのは愉悦だけだ。 逃げるゆっくりも立ち向かうゆっくりも、どんどん男に殺されていく。 そして、最後に残った一匹のゆっくり。成体のゆっくりれいむが震えていた。 逃げようとしても、立ち向かっても男に殺されるのはもう分かりきっているのだろう。 どんな風に虐待しようか『虐待お兄さん』の男が考えていると、ある事を思いついた。 やわらかいゆっくりの体を持ち上げて、両手でゆっくりの頭頂部を男は掴む。 「な、なにするの!! ゆっくり離してね!!」 喚くゆっくりを無視して男は手に力を込め、真っ二つに引き千切ろうとした。 「おにいざんやべでね!! 痛いからはなじでね!!」 男がゆっくりの願いなど叶えてやるわけがなく、弾力のある皮はどんどん伸びていく。 「やだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! じにだぐないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 そんな風に叫びながら、れいむは千切られた。 男の手にはちょうど半分に分かれたれいむがあり、片方は投げ捨てもう一つは持ち帰る事にした。家へ帰ってから食べるつもりである。 周囲を見渡してもゆっくりはもういないようなので、男は山を降りる事にした。 ゆっくりを追いかけてどんどん奥まできてしまい、帰るのが面倒だと男は思った。 男が去ってから少し経つと、一匹のゆっくりの残骸が震え始めた。 いや、一匹だけではない。見ればどのゆっくりの残骸も震えていた。 やがて一匹のまりさの残骸から腕が生え出して、徐々に元の丸い形に戻り始めた。 何秒も待たずにまりさは元の姿に戻り、辺りを見回してから息を吐いた。 「さて、今日もお疲れ様なんだぜ」 「お疲れ〜」 「一人だけだったね」 「でもこんなことよくやるよ」 「他の人間さんは忙しそうなのにねぇ」 まりさの声に反応して元の姿に戻ったゆっくり達は好き勝手に話を始めたが、男に残骸を撒き散らされてしまったゆっくりはまだ戻れていなかった。 「じゃ、いつもみたく先に元の姿に戻れたやつはまだ戻れてない奴の手助けをしてほしいんだぜ。戻れてない奴はどんどん助けを近くの奴に求めるんだぜ」 手を叩きながらまりさは指示を飛ばす。どのゆっくりも文句の一つも言わず指示通り動き始めた。 「あと数合わせで分裂した奴もちゃんと元に戻すんだぜ」 「しょうだよ!! もどらなかったらみんなこんな風に自我をもっちゃうよ!!」 まりさの言葉に続くように一匹の小さなれいむがまりさの隣でふよふよ浮きながら言った。 「お前さんも手伝ってくるんだぜ」 「みゅ〜… 面倒だよぉ…」 「そんな事は通用しないんだぜ」 「わかってりゅよ!!」 小さなれいむはふよふよと飛んでいく。その姿を見送ってからまりさもふよふよ浮き始める。 元の姿に戻ろうとしている仲間の残骸を集める作業に入るのだ。 残骸を集めるのは実に大変である。 ある程度の距離ならば勝手に残骸と残骸が勝手にくっ付いて元の姿に戻ろうとするのだが、撒き散らされてしまってはくっ付くことはできない。 放っておいても一番多く集まった残骸が中途半端に復元され、時間を置けば徐々に修復される。 しかし、この群れはもうあの『虐待お兄さん』に潰されてしまった群れなのだ。 それなのにこの場に留まっていてしまっては、流石に人間にだって怪しまれてしまう。 ゆっくりはあくまで『愚鈍で馬鹿で意地汚い動く饅頭』でなければならない。この秘密を人間に知られない為にも、今は一刻も早くこの山から離れなければならないのだ。 「困りました……」 まりさが仲間の残骸を集めていると、半分だけのれいむが俯いて浮いていた。 『虐待お兄さん』に最後真っ二つにされ、片方を持っていかれてしまったれいむだ。 「まあ、お前さんは仕方ないんだぜ。どうせ少ししたら元に戻れんだから人間に見られないように移動するしかないんだぜ」 食べられたりすれば適当に復活できるゆっくりではあるが、流石に中途半端に食べられてはそれも無理である。 このれいむは自然に修復されるまで待つしかないのだろう。 だが、れいむの返事は違った。 「いえ、別に元の姿に戻れないの事で困ってるんじゃないんです」 「? どういうことなんだぜ?」 「実は……」 山を順調に下っていた男は一つの違和感に気づいた。 最初は気のせいだと思っていたのだが、どうやら気のせいではないらしい。 右手に持っていたゆっくりれいむの半身がもぞもぞ動き出していたのだ。 不思議に思いながらゆっくりを顔の前まで持ってくると、断面から餡子がこぼれなくなっていた。 断面の方を見てみると餡子がこぼれない理由が分かった。餡子が消えていたのだ。 ゆっくりの中身である筈の餡子は見事に無くなり、断面には何もない空間が広がっていた。。 最初は餡子がこぼれて皮だけになったと思ったのだが、どうやら違うようである。 男が手を突っ込んでみると、男の腕はそのまま入ってしまったからだ。 いくら成体のゆっくりとは半分に切り取ったゆっくりの体はそこまで大きくない。 恐る恐る男は己の顔をゆっくりの断面に入れてみる。すると、男はゆっくりの中に吸い込まれていくのが分かった。 慌てて顔を皮から出そうにも既に手遅れで、男は顔から下も全て吸いこまれてしまった。 後には何も残らず、残ったゆっくりの皮はふよふよ浮いて男が下っていた山道を再び登り始めた。 「つまり、引き千切られた半分の方も復活してしまいどうやらあの男を飲み込んでしまったみたいなんです……」 「はぁ……」 れいむの説明を聞いていたまりさは溜息を吐いた。 今の話はおそらく本当の事で、間違いなく先ほどの『虐待お兄さん』は吸い込まれてしまったのだろう。 「全く、運の悪い人間さんだぜ……」 そう言いながらまりさは頭の裏を掻く。 人がいなくなったと分かれば人間は間違いなく山狩りをするだろう、そう考えてまりさは再び指示を出す。。 「れいむの半身がこっちに来たら出発するんだぜ。その前に各自修復するんだぜ!!」 ゆっくり達は再び作業を再開する。 今優先することは急いでこの場を離れ移動することだ。下手したら人間に見つかってまた潰されるかもしれないからだ。 流石に二日連続で潰されるのは嫌だからか、修復速度もどんどん上がってきている。 まりさも仲間の残骸を集め始めてから、再び溜息を吐いた。 「人間さんがゆっくりって名付けた癖に、ゆっくりがゆっくりできる日は来るのかだぜ……」 ま、ここじゃ無理かとまりさは思った。 終 by大貫さん ↓は後書きと感想フォームへの返事です。読みたくない方はこのまま戻ってください こんな駄文を最後まで読んで頂き本当にありがとうございます!! 本当は膿と膿以降人間を酷い目にあわす話は書くつもりはありませんでした。 ただ、あるれいむのAAを見て (これ、誰か吸い込まれたら面白そうだなぁ…)って思ったので書いてみました。 感想フォームに感想下さった方、本当にありがとうございます。 (名無しさん) 2008-11-10 15 16 03 後書きに対してのご忠告、本当にありがとうございます。 自分が作者様をおちょくるつもりはありませんでした。ただ、一言断っておいた方がいいかも…… と思っただけなのです。 本当にすいませんでした。 (名無しさん) 2008-11-19 13 43 03 読んで下さりありがとうございます。 タイトルを見れば分かるように、ゆっくりの中の膿と人間の中の膿を比較するために書いた作品です。 ですが、この作中に出てきた虐待お兄さんも他の人が書かれれば立派殺される事もなかったと思います。 (名無しさん) 2008-12-05 17 30 26 確かに原作の靈夢と魔理沙ならばふぅ〜んとかへぇ〜で済ましそうですね…… 反省です。 本当は最初は霖之助の視点で書くつもりだったんですが、霖之助というキャラは本当に扱い難いキャラだったので諦めさせてもらいました。申し訳ありません。 あと、最後に色々書いてくださいと言ってくださり本当にありがとうございます。 虐待スレという場で、ぬるいじめでも良いと言ってくださり本当に嬉しかったです。ありがとうございます。 最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。お目汚し失礼!! 書いた作品一覧 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた ゆっくりいじめ系571 みんなで食べよう ゆっくりいじめ系572 きめぇ丸その後 ゆっくりいじめ系596 ゆこまち ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか… ゆっくりいじめ系628 鳩と餌と糞 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと ゆっくりいじめ系823 保護場 ゆっくりいじめ系843 ゆっくり飼ってます2 ゆっくりいじめ系900 膿と膿 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 森近霖之助×ゆっくり系1 代価 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス ゆっくりいじめ小ネタ146 生まれ変わり ゆっくりいじめ小ネタ251 飼われているゆっくり 野良のゆっくり